医学教育つれづれ

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医師および研修医の間の詐欺師症候群:スコーピングレビュー

Impostor syndrome among physicians and physicians in training: A scoping review
Michael Gottlieb Arlene Chung Nicole Battaglioli Stefanie S. Sebok‐Syer Annahieta Kalantari
First published: 06 November 2019
https://doi.org/10.1111/medu.13956

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/medu.13956?af=R

 

詐欺師症候群(Impostor Syndrome:IS)は、医師および研修医の間で状態としてますます認識されています。詐欺師症候群は、燃え尽きや自殺率の増加と関連しているため、特に問題があります。この問題に対処するには、ISに関連する有病率、範囲、および要因を完全に理解する必要があります。このスコーピングレビューの目的は、将来の研究の現在の傾向と方向を特定するために、医師・研修医の間でISに関する既存の文献を分析することです。

*詐欺師症候群は、1978年にClanceとImesによって最初に記述され、成功を内面化できないこと、および成功を幸運、エラー、または適切な個人を知るなどの外部原因に起因する傾向として特徴付けられます。自己効力感の低下にもつながっている。

方法

著者は、2019年1月以前に公開された医師または研修医の間でISに関する記事について9つのデータベースの文献検索を実施しました。 2人の著者が独立してデータを抽出し、スコーピングレビューのベストプラクティスの推奨事項と一致する定量的および定性的な合成を実行しました。

結果

ほとんどの研究では、Clance Impostor Phenomenon Scaleを利用し、ISの割合は22%から60%の範囲であると述べています。研究では、性別、自尊心の低さ、施設文化がISの高い割合に関連しているのに対し、社会的支援、成功の検証、肯定的な確約、個人的および共有された省察の両方が保護的であることがわかった。全体的に、ISは燃え尽き率と関連していました。

ISが両刃の剣であると示唆している人もいます。特定の医師は成功への意欲を高めるため、ある程度のISの恩恵を受けるかもしれませんが、他の医師はそれによって直接抑制されます。どの介入がISの症状を軽減するか、またはISを成功のためのツールに変換するのに効果的であるかを判断する必要があります。

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詐欺師症候群に関する論文数(年次別)

結論

このレビューは医師と研修医の間でISに関する既存の文献をまとめたもので、将来の研究のための貴重な洞察と領域を提供します。