医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

TBLセッションをオンラインで同期的に実施するための12のヒント

Twelve tips for conducting team-based learning session online in synchronous setting
Alam Sher Malik & Rukhsana Hussain Malik
Published online: 09 Apr 2021
Download citation https://doi.org/10.1080/0142159X.2021.1910642

 

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/0142159X.2021.1910642?af=R


概要
はじめに

COVID-19の大流行により、教育者は、教室や試験場に人が集まるのを避け、社会的な距離を保ちながら、効果的かつ効率的に機能する教育方法や評価方法を創造的に開発することが求められている。教室での授業に代わるものとして、オンラインでのアプローチが効果的であると考えられています。

目的

TBLをオンラインで効果的かつ効率的に実施するためのツールを教員に提供する。

方法

オンライン教授法に関する文献を調査し、オンラインでTBLセッションを実施した経験をもとに分析した。

結果

教員が効果的かつ魅力的なTBLセッションをオンラインで実施するための12のヒントを作成した。

結論

これらの12のヒントを用いてオンラインTBLセッションを実施することで、学生をアクティブラーニングのプロセスに十分に参加させることができる。

 

 

 

 

 

・TBLの以下の4つの必須要素を満たす必要があります。

 チームが適切に形成され、管理されていること

 チームの課題は、学習とチーム開発の両方を促進するものでなければならない

 学生は頻繁かつタイムリーなフィードバックを受けなければならない

 学生は個人やチームの仕事の質に責任を持たなければならない

 

・TBLセッションをオンラインで実施するための手順のまとめ。

セッションの数日~1週間前
 オンラインTBL用のWhatsAppaグループ(WAG)を学生全員で作成する。このグループは、今後実施されるすべてのセッションで使用されます。

 事前課題と学習成果をWAGで学生に送る。

 課題に基づいて、RAT(readiness assurance test)用とTAPP(Team application test)用の2つの問題集を用意する。

 これらの質問を使って、Mentimeter(mentimeter.com/app)で、RAT 用と tAPPb 用の 2 つのプレゼンテーションを作成する。

 学生を 5~7 人のチームに分ける。各チームは、性別、民族、以前の評価でのパフォーマンスレベルなど、多様な属性をバランスよく 配置する。各チームは、チームリーダー(TL)を決めます。

 Zoomのリンクを作成し、WAGを通じて学生に送信します。

 

セッション当日

1、指定された日時にZoomソフトウェアを起動し、先に送られたリンクを使ってすべての学生がセッションに参加していることを確認します。学生を迎え入れ、iRATbの開始を告げます。

2、ウェブブラウザでMentimeter(mentimeter.com/app)にアクセスし、RATsのプレゼンテーションを開きます。

3、Zoom 共有を使って、Mentimeterのブラウザウィンドウを学生と共有します。

4、iRAT - 最初の質問を1つずつ提示し(mentimeter.com/app)、学生には質問に個別に答えるように促します。新しい質問は、前の質問にすべての学生が答えた後に表示されます。

5、すべての質問に学生が個別に回答した後、iRAT (Individual readiness assurance test )の終了と tRAT(team readiness assurance test) の開始をアナウンスします。

6、tRATb - Zoom ソフトウェアで「ブレイクアウトルーム」を各チームに 1 つずつ割り当てる。学生にtRATの期間を伝える。

7、最初の質問をWAGで学生全員に送り、指定された時間内にチームメンバー間で議論し、各質問に対する回答をまとめてもらう。

8、回答がまとまったら、あるいは時間切れになったら、学生全員がメインのZoomセッションに戻ってきます。

9、ステップ4を繰り返します。ただし、TLのみがチームを代表して、チームディスカッションで得られたコンセンサス答案に基づいて回答する。

10、各質問の最後に、インストラクターによる説明の確認を行う。すべての質問への回答とレビューが終了したら、tRAT の終了をアナウンスする。

11、tAPP - チームはそれぞれの分科会室に戻る。2 つ目の質問を使ってステップ 7 を繰り返す。

12、2つ目の質問を使って、ステップ8、9、10を繰り返す。ただし、すべての質問に答えて議論が終わるまで、講師がセッションを実施して進行している間に、学生が 議論の主導権を握る。TAPP の終了を告げる。

13、重要なポイントをまとめてセッションを総括し、セッションの実施について全体的なフィードバックを行う。学生が「ベスト」な回答や質問の明確さに異議を唱えた場合は、それに応える。

14、学生からフィードバックをもらう(口頭または書面で)。

15、コード化されたセッションを、学生へのフィードバック、今後の参考、継続的な改善のために使用する。

 

ヒント1 TBLオンライン・セッションのオリエンテーションから始める

オリエンテーション・モジュールは、RATからTAPPまでのオンラインTBLセッションの「感触と流れ」を学生に体験させ、効果的なチームワークを実現するための個人としての役割を学生に伝えるべきである。

 

ヒント2 関係者の協力を得てSP(software packages)を選ぶ

オンラインでTBLを円滑に行うためには、コミュニケーションや教材の共有のためのSP(WhatsApp、Telegram、Viberなどのチャットアプリ)、RATやTAPPの実施のためのSP(Mentimeter、Kahoot、Socrativeなどのクイズアプリ)、少人数でのディスカッションが可能な遠隔会議のためのSP(Zoom、Microsoft Team、Google Meetなどのビデオ会議アプリ)の3つのSPを使い分ける必要があることに気づきました。

 

ヒント3 チーム編成に「手動」オプションを選択する

講師は,ズームの中で学生を「ブレイクアウトルーム」にグループ分けする際には,自動ではなく「手動」のオプションを選択すべきである.

 

 

 

ヒント4 クイズの発表を事前に準備する

 

 

TBLオンラインセッションの実施

ヒント5 iRAT - 一斉報告のために回答を「隠す」を選択する

Zoom遠隔会議ソフトウェアを「オン」にしておき、他の2つのソフトウェアアプリケーション、すなわちWhatsAppとMentimeterを「必要なときに必要なだけ」定期的に使用します。

iRATでは、Mentimeterアプリケーションを使用し、問題を1つずつ提示して、学生に回答を選ばせる。回答の「同時報告」は、回答のコピーや「傾向に従う」ことを防ぐことができるため、学生の採点には重要です。Mentimeterアプリケーションには、参加者全員が質問に答え終わるまで回答を隠すオプションがあり、同時報告の要件を満たしています。

 

ヒント6 tRAT - 割り当てられた時間内に可能な限り多くの「ブレイクアウトルーム」を訪れる

 

ヒント7 ICR - 各質問の答えを一人ずつ議論する

 

 

ヒント8 tAPP - チャットやクイズのアプリケーションを使って「4Sの原則」を実行する

tAPPは、最も重要なステップであり、(RATで)新たに学んだ概念を実生活の場面で適用する学生の能力を評価する。このステップは、「4Sの原則」(重要な問題、同じ問題、特定の選択、同時報告)に従っている(Parmelee et al.2020)。

 

 

 

ヒント9 その場で、あるいはチャットアプリでの「訴え」を管理する

申し立てをした学生が自分の主張を証明した場合、その鋭さに報いるべきです。

 

ヒント10 テレビ会議アプリケーションを使ってセッションを総括する

まとめのセッションでは、コンセプト(特に苦手なコンポーネント)に関する学生の不安や疑問を明確かつ正確に取り上げます。

 

ヒント11 セッションのビデオ録画をフィードバックに活用

 

フィードバックは書面だけでなく、口頭でも行うことができます。

 

ヒント12 チームリーダーにチャットアプリケーションを使って相互評価レポートを提出するように依頼する。

 

 

 

より良いベッドサイドティーチングのためのEPA

An EPA for better Bedside Teaching
Marjel van Dam Subha Ramani Olle ten Cate
First published: 24 March 2021 https://doi.org/10.1111/tct.13346

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/tct.13346?af=R

 

・どんなもの?

ベッドサイドティーチング(BST)を指導用のEPAとして組み立てた

 

・先行研究との比較

ベッドサイドティーチングを指導する医師向けのEPAの開発で体系的トレーニングができるかもしれない

*ベッドサイドティーチングの重要性、EPAの重要性の記載があるが、これまでに指導医向けのEPAの存在があるかどうかは明確には触れられず

 

・ポイント

 ベッドサイドティーチングの定義

 徴候や症状、身体検査、臨床推論、および/またはベッドサイドでの手順に関する教育を目的として、患者のケアに責任を持つ指導医が、限られた数の学習者に対して計画的または自発的に行う教育的な出会いのこと。ベッドサイドまたは診察室で行われ、学習者全員が積極的に参加しなければならない。

 

・優れたベッドサイドティーチングの特徴

1. よく準備されたBSTでは、教師は準備、患者の同意、意図的な学習目標に注意している

2. 安全な学習環境 

3. 学習者の成長レベルに合わせる

4. 個別ケアの独自性を強調する

5. 患者の満足と利益に焦点を当てる

 

・臨床指導 EPA*: ベッドサイドティーチング

EPA の認定には以下が含まれる、または含まれる可能性がある。
・患者および/または家族もしくは代理人を選び、知らせ、教育への参加の同意を得ること

・教育セッションに先立ち、患者および/または家族に事前説明を行う。

・教育セッションの前に学生に事前説明を行う。

・ベッドサイドまたは診察室での指導の実施。

ティーチングセッションの後、学生にデブリーフィングを行い、学習をサポートするためのフィードバックを提供すること

・患者とのデブリーフィング

 

f:id:medical-educator:20210406121326p:plain

BSTの必須要素は3つの段階に分類できると結論づけた。(1)BSTセッションの前、(2)BSTセッション中、(3)BSTセッション後の3つの段階に分類できると結論づけた

 

・有効性の証明は?

複数の臨床医への(a)フォーカスグループディスカッション、(b)電子メールによる自由形式のアンケート

 

・議論

限界

・1つのアカデミックメディカルセンターで実施された

・1回のフォーカスグループディスカッションと1回のEメールによる簡単なアンケート

 

・NEXT STEP

今後の研究では、より多くの参加者を対象とし、複数のレベルの臨床指導者(教員と研修医)および学習の受け手(学生と大学院研修生)を対象とすることが望ましい。最後に、このようなEPAの実施が、教師や学習者の満足度だけでなく、より重要なこととして、患者の満足度や臨床ケアの質に与える影響を評価することが重要です。

 

 

 

本概要

背景

ベッドサイドティーチング(BST)は、理論的知識と臨床的実践を統合した臨床教育の伝統であるが、過去10年間で急激に減少している。さらに、多くの臨床医は、効果的なBSTを行うための特別な訓練を受けておらず、また、それに慣れてもいない。この貴重な教育形式を復活させるには、指導医を準備し、効果的なBSTのための舞台を用意するための新しいアプローチが必要かもしれません。BSTを指導医のEPAとして位置づけることは、BSTの適用と質を高めるための一つの戦略であると考えられる。

方法

本研究では、高品質なBSTを再定義し、その本質的な特徴と効果的な実践方法を記述することを目的とし、フォーカスグループディスカッションと電子メールによる自由形式のアンケートを用いて、指導医の参加者の視点に基づき、文献からの洞察を補足した。

結果

収集したデータに基づいて、BSTの定義と、BSTを最適化するために提案された戦略のリスト(例えば、準備、安全な学習環境、柔軟な指導、患者の利益)を作成した。また、この定義に基づいて、構造化されたEPAを作成した。

結論

効果的なBSTを行うには、このような指導方法に慣れ、自信を持っている熟練した臨床医が必要である。BSTを指導用のEPAとして組み立てることで、教員の育成や臨床医の認定の指針とすることができる。

 

学術的実践を一歩進めて教育研究を生み出す

Taking the Scholarly Practice One Step Further by Producing Education Scholarship
Colbert-Getz, Jorie PhD, MS; Shaffer, Kerri MEd, MLIS; Chow, Candace PhD, MAAuthor Information
Academic Medicine: April 2021 - Volume 96 - Issue 4 - p 610
doi: 10.1097/ACM.0000000000003536

 

journals.lww.com

 

実践から研究成果を生み出すことに混乱がある。

グラシックは研究の基準として、「明確な目標、十分な準備、適切な方法、優れた結果、効果的なコミュニケーション、省察的批評」をあげている。

ボイヤーが提唱する4種類の研究分類は、学術的実践と教育研究の違いを説明するのに利用できます。

 

・発見

科学的手法による調査(伝統的な調査研究)

例:コースディレクターが10のセッションを反転授業(FC)または講義形式でランダムに実施し、どちらが試験の成績向上につながるかを調べる。

学術的実践 FC条件で試験のスコアが5%上昇したことを確認し、ディレクターは来年度のすべてのセッションでFCを使用することを決定する。
教育研究 コースディレクターが本研究の原稿を執筆し、Teaching and Learning in Medicineに受理された。

 

・教育

文献に基づいた体系的な方法で、学習やカリキュラム開発のためのベスト・プラクティスを用いること

例;ある教員がコーチングカリキュラムの作成を依頼される。Kernのカリキュラム開発の6つのステップを用いてカリキュラムを設計する。

学術的実践 教員は、翌年にカリキュラムを実施する。

教育研究 教員が、コーチングプログラムを説明し、教育/学習リソースを提供する原稿を執筆し、MedEdPORTAL に受理される。

 

・統合
専門分野内および/または専門分野間で知識を合成すること

例:教員がチーム学習(TBL)の賛否をメタアナリシスでまとめたもの。

学術的実践 TBLがチームワーク能力を高めることを発見した教員は、講義の20%をTBLに置き換えるようにコースディレクターを説得しました。

教育研究 教員がメタアナリシスの原稿を書き、Academic Medicineに受理された。

 

・応用
問題を解決するために、文献や他の分野から得られた知見を用いること

例;虐待が臨床環境で問題となっている。クラークシップ責任者は、虐待に対処し軽減するための最良のアプローチを決定するために、虐待に関する文献を探す。

学術的実践 院長は、自分のクラークシップで実施する最も実現可能なアプローチを選択する。

教育研究  院長は、アプローチを実施する際の障害や成功例に関するポスターが、学習会での発表用に受理される。

 

 

学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー);北海道・東北地方の医学部

北海道大学

www.med.hokudai.ac.jp

医学部の学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)
医学部では、本学の4つの基本理念(フロンティア精神、国際性の涵養、全人教育、実学の重視)の下、人類の健康増進に資するための体系的な教育を行うことにより、豊かな人間性、高い倫理観および国際的視野を備え、医学、医療又は生命科学の実践および発展に寄与する人材を養成することを教育目標としています。
医学部では、この目標とする人材像に求められる具体的な能力(学位授与水準)を学科毎に定め、当該能力を身につけ、かつ、所定の単位を修得した学生に学士の学位を授与します。

医学科の学位授与水準

医学科では、医学部の教育目標に基づき、①医をささえる高い倫理観と豊かな人間性の陶冶、②高度な医学知識と技術の修得およびそれを維持する生涯学習を続ける態度・習慣の修得、③医療チームにおいて他の専門職と連携し、高度医療をおこなう協調性の修得、を教育理念として、次の能力をもつと認められる学生に対し、学士の学位を授与します。

(1) 医学・医療を支える高い倫理感を身につけている。
(2) 人間性を陶冶し患者のもつ悩み・不安・苦痛等に共感する態度を身につけている。
(3) 社会の発展に貢献する使命感と責任感を身につけている。
(4) 基礎的な医学知識・技術を身につけている。
(5) 科学的妥当性・探求心・創造性を身につけている。
(6) 生涯学習をつづける習慣・態度を身につけている。
(7) 医療におけるチームワークの重要性と、その中の医師の役割を理解している。
(8) 後輩に指導するとともに、自らも共に学ぶ態度を身につけている。
(9) 異文化との交流や国際交流の重要性を理解している。

 

札幌医科大学

web.sapmed.ac.jp

ディプロマ・ポリシー(学位授与方針)
 医学部では、所定の単位を修得し、以下の要件を修得した学生に学位を授与します。

1.倫理観・社会的責任、プロフェッショナリズムに関する内容(態度)
高い倫理観・責任感を備え、医療者としての使命感をもって患者の立場を重視するとともに、研究マインドをもって医学・医療に生涯を通じて貢献できる。
2.地域医療、研究、国際貢献に関する内容(関心・意欲)
幅広い視野をもって積極的に地域医療を担う意欲を育み、先駆的研究に関心をもって国際的な医学・医療の発展に貢献する。
3.基本的医学知識と基本的技術、コミュニケーション能力に関する内容(知識・技能)
基本的な医学知識と技術を習得し、協調性と指導力をもって診療や保健指導、医学研究を実践できる。
4.問題解決・課題探求能力に関する内容(思考・判断)
現状に潜む問題点を課題として提起し、科学的根拠および適確な方法に基づく論理的思考を通して自ら解決できる。

 

旭川医科大学

www.asahikawa-med.ac.jp

http://www.asahikawa-med.ac.jp/bureau/public/gakusei/01med_dp.pdf

旭川医科大学医学部医学科では、教育の目標に沿って編成された年次カリキ ュラムを履修し、基準となる単位数を修得し、次の資質と能力を身につけたと 認められる学生に対し学位(学士(医学))を授与します。
「倫理観とプロフェッショナリズム」(態度)
生命の尊厳を尊重し、医の倫理を理解し、チーム医療に基づいた医療を実践 できるための態度を身につけている。
「医学と関連する領域に関する十分な知識と生涯学習能力」(知識)
幅広い教養と基礎医学臨床医学社会医学の基本的知識を有し、それに基 づいた医療を実践するために、生涯にわたる学習の必要性とその方法を説明できる。
「全人的な医療人能力、基本的診療能力、実践的臨床能力」(技能)
豊かな人間性を持って患者、患者家族と接することができる。 患者の意思を尊重した適切な健康増進を図ることができるとともに医療を提供するための基本的診療能力を身につけている。 急性もしくは慢性の健康問題について診断と治療の原則を理解し、安全性を配慮した上で計画できる。
「問題解決能力、発展的診療能力、研究心」(思考・判断)
基礎医学臨床医学社会医学領域における研究の意義を理解し、科学的情報を収集し評価するとともに、客観的思考を持って診療に応用することができる。
また、新たな情報を生み出すために倫理原則に基づいた論理的研究計画を立案できる。
「地域社会・国際社会へ貢献するための能力」(意欲・関心)
医療に対する社会的ニーズを踏まえ、医療の実践、研究を通じて地域社会及び国際社会に貢献する必要性とその方法を説明できる

 

弘前大学

www.med.hirosaki-u.ac.jp

卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)
 医学部医学科では,カリキュラム・ポリシーに基づいて編成された教育課程に沿って医学的専門知識と技能を習得するとともに,人間の尊厳を希求し,医学の発展の一翼を担うために,求められる社会的役割を的確に果たすことができる三つの素養を身に付けたものに対して,学士(医学)の学位を授与します。
 具体的には,つぎの目標に達していることが学位授与の条件となります。

 豊かな人間性と高度な医学の専門知識を身に付け,人間的・科学的観点から社会の要請を見通す力を身に付けていること。
 広い視野と柔軟な思考力を基盤に,医療・医学の問題を解決していく実践的な力を身に付けていること。
 専門性を生かした国際基準の基礎的かつ,応用的な医学・医療を常に学修し,生涯にわたり自らを成長させ続ける力を身に付けていること。

 

岩手医科大学

www.iwate-med.ac.jp

医学部

本学の建学の精神「医療人たる前に、誠の人間たれ」を深く理解したうえで医師として必要な知識・技能・態度を修得し、チーム医療や地域社会において活躍できる医師として以下のような能力などを身につけ、かつ所定の課程を修めた者に対して、学士(医学)の学位を授与します。

  1. 医療倫理;全人的人間性をもち、社会正義と患者の福祉を最優先とする「誠の人間」として、常に自己研鑽に努め、臨床医として最新かつ最善の医療を地域にもたらし、研究医として人類の福祉に貢献する姿勢を示すことができること。
  2. プロフェッショナリズム;豊かな教養と幅広い知識、優れた技術、「誠の人間たる」態度を身につける必要があることを理解し、日々研鑽を続ける責務と後進育成の使命を自覚すること。
  3. 医療安全;安全な医療を提供し続けるために、感染対策、医療安全管理に対する知恵を身につけ、自己の身体的および精神的健康にも気を配りつつ、医療の質の向上に努めることができること。
  4. 医学的知識;初期臨床研修医あるいは研究医としての業務を行うために必要な基礎生命科学臨床医学、行動科学、社会医学および医学英語の、知識と科学的思考方法を有しており、疾患の予防、診断と治療、あるいは研究に活用できること。
  5. 診療技術・患者ケア;的確な医療情報を収集し、それをもとに適確な診断を下し、プライマリケアを実践して記録する、という基本的な課程を「誠の医師」として患者に真摯に向き合っておこなえること。
  6. コミュニケーションとチーム医療;「誠の人間」にふさわしい謙虚さを身につけ、患者やその家族および医療従事者間で、互いの立場を尊重した関係を構築することができること。
  7. 医療の社会性;「厚生済民」の建学の精神に基づき、社会保障制度および法律に関する知識を修得し、国内外の保健医療に貢献する意志を有すること。
  8. 地域医療;本学は医療の偏在化を是正するために作られた医育機関であることをわきまえ、地域の特性を理解し、地域のニーズに配慮した診療や予防医学、あるいは災害医療に貢献するという将来ビジョンを描き、地域医療で果たすべき責任を自覚していること。

以上の内容は、卒業時に達成していなければならない能力として、卒業時コンピテンシーに盛込まれています。これらの教育成果を達成することができるように六年一貫で順次性をもったカリキュラムが構成されています。本学のすべてのカリキュラムを完遂し、年次ごとの科目を着実に修得することが必要です。そのため、学則第2条に定める期間を在学し、かつ第6条に定める所定の授業科目及び単位を履修修得することが要件となります。

 

秋田大学

www.med.akita-u.ac.jp

https://www.akita-u.ac.jp/kcenter/pdf/policy/08.pdf

『卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)』[医学科]
医学部医学科では,所定の期間在学し,医学部医学科が定める専門分野に関する所定の 単位を全て修得し,次のような知識,技能,態度等を身につけた学生に,「学士(医学)」 の学位を授与します。

1.豊かな教養と倫理性:豊かな人間性を有し,医師としての職責への十分な自覚の もと,生命倫理や医の倫理を遵守し,行動する能力

2.コミュニケーション能力:チーム医療の一員として協調して行動し,人々と良好 な関係を構築する能力

3.適応能力:絶えず進歩する医学・医療に興味を抱いて学習し,学んだ成果を取り 入れる能力

4.課題探求・問題解決能力:自ら国内の地域医療や国際的な健康問題を探求し,医学情報を積極的に収集して論理的に思考する,あるいは自ら医学研究をすることで 問題を解決する能力

5.基礎医学能力:個体の仕組みと外界への反応を理解し,基礎的な病因や病態を理解する能力

6.社会医学能力:地域医療を含めた社会と医学・医療の関連性を理解する能力

7.基本的臨床能力:疾患の病因・病態・診断・治療を総合的に理解する基本的な臨床能力

8.実践的臨床能力:基本的な臨床能力を用いて,具体的な臨床的問題を解決する能力

 

 

東北大学

www.med.tohoku.ac.jp

ディプロマ・ポリシー

医学部医学科では、次に掲げる目標を達成した学生に学士の学位を授与する。

生命現象、人体構造並びに様々な疾患について、分子レベルから細胞・組織・器官・個体レベル、さらに地域・社会・国際レベルに及ぶ国際標準の知識を有している。未解明の事象に挑み創造的研究を行って先端領域を切り開き、成果を世界に発信する能力を有している。

優れた倫理観と暖かい人間性を備え、科学的根拠に基づく医療を実践する基本的能力を習得している。地域に密着して医療を実践するとともに、国際社会に医療貢献する能力を有している。

医療の実践と医学の研究を通して、我が国の医学研究、教育、医療を支えると伴に、ワールドクラスの研究の推進、新しい学問の創造、人類への貢献を担う能力を有している。多職種間の連携・協調、学際的研究交流等を円滑に行うコミュニケーション能力とチームを率いるリーダーシップの素養を有している。

 

東北医科薬科大学

www.tohoku-mpu.ac.jp

本学医学部の教育課程を履修して、所定の単位を修得した下記の学生に学位(学士(医学))を授与します。

医療人としての自覚と医師として総合的な臨床能力を身につけていること。
地域医療、災害医療に貢献する強い意志を持っていること。

 

山形大学

https://www.yamagata-u.ac.jp/DP/2405.pdf

学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)
山形大学医学部医学科では、医学・医療の今後の発展を担う有意な医師、医学研究者を育成す る観点から、医学教育を通じて、次の能力を身につけた者に対し学位を授与する。
1.医学・医療に対する深い学識、見識をもち、劇的な速度で進歩する医学・医療に追随するの みでなく、これらを自ら進化させることにより社会に貢献する人材であること。
2 臨床医学の実践、および研究の基礎となる学力、能力を身につけていること。
3 臨床医や臨床・基礎医学研究者のみならず行政官等多様なキャリアパスに対応できる基礎的 能力を身につけていること。

 

福島県立医科大学

www.fmu.ac.jp

福島県立医科大学医学部では、教育理念・目標として「心・知・技・和・地」を掲げ、患者に寄り添う医療人、保健・医療・福祉に貢献できる医師・医学研究者の育成に努めてきました。 それを受け、本学では以下を満たす者に学士を授与します。

 

1.患者と地域社会のために、患者を主体とした最善の医療を実践するプロフェッショナルとして、必要な倫理観の基盤・知識と技術を習得した者
2.医学、医療の視点から、地域から世界に広がる社会貢献ができる医師・医学研究者の基礎として、科学的思考力および自律的に生涯学習を継続する姿勢を習得した者
3.医学部履修規程に則り、卒業までに所定の単位を授与され、授業科目の修了認定を受けた者

 

 

 

 

主要なステークホルダーの視点からプログラム評価のエビデンスを設計する

Blueprinting Program Evaluation Evidence Through the Lens of Key Stakeholders
Deborah Simpson, PhD (@debsimpson3) ; Janet M. Riddle, MD (@JanetRiddleDME) ; David L. Hamel, Jr, MD ; Dorene F. Balmer, PhD (@dorenebalmer)
J Grad Med Educ (2020) 12 (5): 629–630.
https://doi.org/10.4300/JGME-D-20-01015.1

 

meridian.allenpress.com


プログラム評価の主要なステークホルダーは、新しい情報を収集する前に、評価の証拠について質問しなければなりません。

 

ステークホルダーとは、レジデントプログラムやフェローシッププログラムにおける意思決定や活動に関心を持つ個人やグループのことです。ステークホルダーは、プログラム内部(研修医・フェロー、教員、プログラムコーディネーター)やスポンサー組織(大学院医学教育委員会、機関職員など)の場合もあります。これらのステークホルダーは、研修の経験や成果に関する証拠を求めることが多い。また、プログラムの外部の関係者(認定機関、医学部の指導者)が、別の種類の証拠を必要とする追加の質問をすることもあります。外部のステークホルダーとしての患者や地域社会のリーダーは、プログラムの目標と地域社会の関心事が一致しているかどうかについての洞察を提供することができる。プログラムの評価の焦点の選択により、評価に参加させる主要な利害関係者とそのプロセスへの関与の度合いが決まる。


何を行うのか
・評価の対象となるプログラムや活動に関係している、または決定を下す予定の個人やグループを特定し、関与させる。
・これらのステークホルダーに、検討中のプログラムまたは活動に関する彼らの見解に強く影響を与える証拠は何かを尋ねます。
・評価のブループリントを用いてステークホルダーの回答を整理し、横断的なデータや重要なデータを特定します。


今日から始められること
・主要なステークホルダーを特定する。
・内部のステークホルダーの視点を得る。
・外部のステークホルダーに助言を求める。
・データを可視化し、図示する。
・整合性を評価する。


長期的にすること
・既存のエビデンスのソースを特定する。
・評価対象の範囲を決定する。
・360度の視点を持つ。
・主要なステークホルダーとのコミュニケーションを継続する。
・評価の専門知識を求める。

プログラム評価。はじめに、その基準

Program Evaluation: Getting Started and Standards
Dorene F. Balmer, PhD (@dorenebalmer) ; Janet M. Riddle, MD (@JanetRiddleDME) ; Deborah Simpson, PhD (@debsimpson3)
J Grad Med Educ (2020) 12 (3): 345–346.
https://doi.org/10.4300/JGME-D-20-00265.1

 

meridian.allenpress.com

 


教育者は、日常的に教育プログラムを評価し、維持すべきもの、改善すべきもの、中止すべきものを判断しています。中には、研究のようにプログラムの評価を行う人もいます。これは当然のことで、教員は質の向上や研究活動に焦点を当てた体系的な調査の訓練を受けており、プログラム評価とは異なる目的を持ち、前提条件や意図する結果も異なります。その結果、プログラム評価の基本的な前提条件、目的/意図された結果、方法、報告書などについて、教員の理解が浅く、難しい議論になることが多いのです。

 

教育者は以下のことをすべきである
・評価の目的を明確にし、評価結果がどのようにあなたの意思決定に役立つかを明らかにする。

・評価データが意思決定に使用されないのであれば、データを収集しないこと。

・自分の評価がプログラム評価の基準を満たしていることを確認する。

・年次プログラム評価委員会(または同様のグループ)を招集し、現在の評価情報源を確認する。

 

知られていること
今日、プログラム評価の目的は、(1)教育プログラムの全体的な価値を判断する(プログラムの総括的な判断)、(2)プログラムの改善を計画する(プログラム、プロジェクト、活動の形成的な改善)ためにデータを使用するという2つの方向性のうちの1つに分類されます。いずれの方向性であっても、プログラム評価は教育の質を高め、最終的には医療の質の向上を通じて国民への説明責任を果たすことができます。
プログラム評価の基準は、評価の質を確保するためのものである。また、プログラム評価に関連する他の基準である、有用性、完全性(多様な利害関係者への公平性)、実現可能性を考慮することはあまりありません。以下の表は、これらのプログラム評価基準を示しており、それぞれの基準を評価の質問とアクションステップに関連付けています。

f:id:medical-educator:20210408055500p:plain


今日から始められること
・評価基準を適用する。
・評価の目的を明確にする。
・実現可能性と実用性については、常に早い段階で議論しましょう。
・複数のステークホルダーを考慮する。


長期的にできること
・ワークグループを招集する。
・採用、適応、立案。独自の評価ツールを作成する前に、目的に沿った既存の評価ツールを採用または適応します。
・自分自身をよく知る。評価の分野と評価に関するリソース、および医療専門職教育におけるプログラム評価に関するリソースについて学びましょう

 

評価計画と分析の実施 誰が、何を、いつ、どのように

Implementing the Evaluation Plan and Analysis: Who, What, When, and How
Dorene F. Balmer, PhD (@dorenebalmer) ; Jennifer A. Rama, MD, MEd (@jenramacastro) ; Deborah Simpson, PhD (@debsimpson3)
J Grad Med Educ (2021) 13 (1): 129–130.
https://doi.org/10.4300/JGME-D-20-01523.1

 

meridian.allenpress.com


プログラム評価は、終了時の評価や年次のプログラム評価をまとめたものではない。

プログラム評価の実施には、評価の質問に答える証拠を集め、その答えを文脈の中で理解するための手段を提供することが必要です。プログラム評価の複雑さを考えると、いつ、誰が、何を、どのようにして評価を実施するかのモデルを共有することが重要です。

 

f:id:medical-educator:20210407063802p:plain


・プログラム評価の実施は複雑なので、誰が、いつ、何を、どのように行うのか計画を立てましょう。
・評価課題を見据えてデータを分析し、その結果をどのように意思決定や行動の指針として活用するかを検討します。

 

今日から始められること
・期限を決めて、その期限を逆算します(いつ?)。

・小規模でアジャイルな行動志向の評価チームを結成する(誰?)

・具体的な評価作業(What)を特定する。

・開始と監視(どのように)。

 データは意思決定に役立ちますか(有用性基準)。意思決定が信頼できる証拠に基づいたものになるよう、データは目標に沿っているか(精度基準)。


長期的にできること

・予期した計画。

・既存のデータを調べる

・結果について話し合う。

・学術的な活動への発展