医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

病棟回診の教育を強化する試み

Structuring ward rounds to enhance education

Amy Z Gray Maitreyi Modak Tom Connell Helen Enright
First published: 26 August 2019 https://doi.org/10.1111/tct.13086

 

背景

病棟回診は病院の基本的な部分であり、回診での教育には長い伝統があります。しかし、エビデンスは、複雑なヘルスケア環境で病棟を巡る教育を提供することの困難さの増大を示しています。私たちの病院の設定で特定された文献とギャップを利用して、病棟回診を構築するツールは、忙しい指導医に時間の負担を加えることなく、ラウンドの教育経験を改善できると仮定しました。

方法

開発評価アプローチを使用して、フレームワークを開発し、病棟回診の教育を改善するためのツールを評価しました。病棟回診フレームワークSTIC(Set、Target、Inspect、Close)および病棟回診ツールは、臨床部門でのレビューと試行の反復プロセスを通じて開発され、定量的および定性的データを使用したMoore's outcome levelsに対して評価されました。指導医の調査は、病棟回診ツールの受け入れ、受容性および有用性を定量化するために使用されました。研修医のフォーカスグループは、病棟回診教育の経験を評価しました。

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STICフレームワーク

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病棟回診ツール

結果

指導医の大半は病棟回診ツールを使用し、病棟回診時間を延長することなく、アクセスしやすく、教育を強化するのに役立つと感じました。研修医は、病棟回診ツールの使用を見て、それが構造を提供し、学習機会に焦点を合わせ、議題を明確にし、整理を提供したことを反映していました。強化されたチームワークには、意図しない利点が見られました。

結論

教育を取り入れた回診用の構造化フレームワークSTICおよびツールを提示します。これは、指導医が受け入れられ、研修医の教育を強化し、チームワークを強化するために認識されています。私たちのフレームワークSTICと他の設定、拡張性と影響、患者の視点での病棟回診ツールの適用性を理解することは、この作業の貴重な拡張です。