医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

ブラジルでの内科研修中の生活の質の認識における性差:質的・量的研究

概要

背景

女性が医学に参加する比率が高いほど、医学部、卒業後および研修中に性差が医療の進化に影響を与える可能性がある。生活の質に関する性差は、女性医師の不安とうつ病の状態がより高いことと関連している。

定量的な方法で生活の質の性差を評価し、質的研究で生活の質の認識に影響を及ぼす理由を女性研修医の視点からさらに理解することを目指した。回復力、共感、昼間の眠気をスコア化した。

メソッド

私たちは、共感(Jefferson Scale of Empathy)、レジリエンス(Wagnild and Young Brief Resilience Scale(Werild and Young Brief Resilience Scale)、医療従事者が自己報告した生​​活の質の因子(VERAS-Q) )と昼間の眠気(Epworth Scale)に関して調査した。またフォーカスグループ法を用いて生活の質の認識に影響を与える可能性のあるものに関して女性研修医の視点から検討した。

結果

109人の研修医が調査に回答した。女性は31人(28.4%)、男性は78人(71.6%)でした。女性研修医は、時間管理(女性30.3vs 男性41.1、p <0.001)、心理的領域(女性48.1、男性56.7、p <0.01)、身体的健康(女性42.8:男性53.6; p <0.05)における生活の質に関して男性研修医より有意に低いスコアを示した。女性研修医もまた、昼間の眠気(女性13.0vs 男性9.0; p <0.001)について、日中の眠気スコアで、より高いスコアを得た。レジリエンスまたは共感スコアに有意な性差は認められなかった。フォーカスグループの評価では、集中と知識の獲得の難しさ、不安、喪失の感情、自己疑惑、およびトレーニング期間を支えるための効果的な関係つくりの難しさが、生活の質の低下の主な要因としてあげられた。

結論

結論として、女性研修医は、生活の質の点数が低く、日中の眠気の点数が高かった。この重要な研修期間中に女性研修医の生活の質を向上させるための措置には、時間の管理が改善され、よりよい関係作りの促進が必要である。

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