Clinical decision making through game-based learning: Observations within a Radiography Escape Room
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Tarni Nelson a b, Johnathan Hewis a

はじめに
本論文は、診断X線撮影における臨床的意思決定を促進するための、新しい専門的、ゲームベースのワークショップとして、没入型多感覚脱出ルームを設計し、実施した後の観察結果を報告する。
方法
放射線技師用脱出ゲームの詳細
基本設計と目的
- 開発者: Tarni Nelson氏とJohnathan Hewis氏(Charles Sturt University, オーストラリア)
- 主な目的: 放射線技師が臨床現場で必要とする意思決定能力、問題解決力、チームワークを育成
- 実施場所: オーストラリア放射線技師・放射線療法士協会(ASMIRT)の全国会議(2023年4月、シドニー)
ゲームの具体的な設計
- 時間設定: 60分の制限時間内に「脱出」することが目標
- 物語性: 参加者は病院の放射線科で勤務中の放射線技師という設定
- 空間構成: 放射線科を模した部屋で、様々な医療機器や小道具が配置
- 参加形態: 6〜8名の放射線技師が1チームを形成(計5チーム)
四つの臨床シナリオ
- 救急科(ED)の多発外傷患者
- 焦点: トリアージ/臨床管理
- 課題: 緊急性の判断と適切な対応
- 集中治療室(ICU)のポータブルX線撮影
- 焦点: 臨床知識と画像の初期評価
- 課題: 限られた条件での適切な撮影技術
- 高齢者病棟の患者
- 焦点: 患者状態の悪化の認識と対応
- 課題: バイタルサインの解釈とケアの引き継ぎ
- 疑わしい身体的虐待/非事故外傷のケース
- 焦点: 弱者保護と義務的報告
- 課題: 倫理的判断と適切な報告手順
ゲームの進行方法
- 各シナリオには放射線技師の専門知識を要する謎やパズルが含まれる
- 各チームは各シナリオから1桁ずつ、計4桁の数字を集める必要がある
- 「EXIT」サインの暗号から数字の正しい順序を特定
- 正しい4桁のコードを開錠ボックスに入力して物理的な鍵を取得
- 鍵を使って「脱出ドア」を開ける
マルチメディア要素
- 事前録音された音声(病院の環境音や会話)
- ビデオ(医療画像やカウントダウンタイマーの表示)
- 物理的な小道具(携帯型X線機器、患者の持ち物など)
- 予め決められたタイミングで配布される追加情報の入った封筒
意思決定の記録
- Mentimeterというデジタルプラットフォームを使用
- 各シナリオに対する臨床判断をリアルタイムで記録
- 各チームからは一つの回答のみ許可(合意形成が必要)
結果
参加者からのフィードバック
- 脱出ゲームは既存の知識とスキルを実践的に活用する機会となった
- 時間的制約の中での問題解決能力が向上
- 臨床推論と判断の正当化の練習になった
- チームでの協働作業の重要性を体験できた
重要な教育的要素
- ゲーム後のディブリーフィング(振り返り)セッションが学習を深めるために不可欠
- 参加者間の協力を促す設計が実際の臨床環境を模倣
- 時間経過とともに情報と課題の複雑さが増加する設計が現実の忙しい臨床環境を再現
結論
- 脱出ゲームは放射線技師教育における効果的な教育ツールになり得る
- 綿密に計画された証拠に基づくシナリオと十分なテストが成功のカギ
- このアプローチは他の医療分野での脱出ゲーム活用の増加傾向に合致
- 技術的スキルと対人スキルの両方を同時に育成できる利点がある