Translating faculty development into practice and professional identity: The lived experience of clinical educators.
Bartle, E., Evans, K., Burgess, A., Clark, T., Bansal, A., Hu, W., … Carr, S. E. (2025).
Medical Teacher, 1–10. https://doi.org/10.1080/0142159X.2025.2503380
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/0142159X.2025.2503380?af=R#abstract

研究目的:臨床教育者がFDプログラムでの学習を実際の職場にどう活用し、専門的アイデンティティをどう形成するかを明らかにする
研究方法:オーストラリアの2大学で実施された解釈学的現象学的研究。大学ベースの縦断的FDプログラムに参加した21名の臨床教育者への詳細インタビュー
主要な発見
1. 成長の3つの領域
① 教育実践の成長(全参加者)
- 以前の「アドホックで場当たり的」なアプローチから脱却
- 学習目標の設定と構造化された教育へのシフト
- より学習者中心で協働的なアプローチの採用
- 成人学習理論への理解深化
② 教育者アイデンティティの成長(1年以上のプログラム参加者)
- 「臨床医第一、教育者第二」から、より統合されたアイデンティティへ
- 教育者としての価値と正当性の認識
- 資格取得による信頼性の向上
- 変革の推進者としての自信獲得
③ 教育的視点の成長(1年以上のプログラム参加者)
- 教育者の役割の複雑性への理解(コーチ、コーディネーター、カウンセラー、メンターなど)
- 専門職間の視点の拡大
- 継続的学習への自信
- 教育コミュニティへの所属意識
2. プログラム期間の重要性
重要な発見:プログラムの期間が成長の範囲に影響することが判明
- 短期プログラム参加者:主に教育実践の成長のみ
- 1年以上のプログラム参加者:3つの成長領域すべてを経験
3. 効果的なプログラム要素
参加者が特に効果的と感じた要素:
- 組み込まれた内省的学習活動
- 学習と実践の同時進行機会(職場での即座の応用)
- 他の臨床教育者とのネットワーク構築
実践への示唆
プログラム設計への提言
- 縦断的アプローチの採用:専門的アイデンティティ形成には1年以上の期間が効果的
- 内省活動の組み込み:自己の価値観や動機を考察する機会の提供
- コミュニティ形成の重視:同職種間のネットワーキング機会の創出
- 実践との統合:学習内容を即座に職場で応用できる設計
組織レベルでの支援
研究の意義
この研究は、大学ベースの縦断的FDプログラムが臨床現場で働く教育者の専門的アイデンティティ形成を支援できることを実証的に示した重要な知見を提供しています。特に、プログラム期間と成長の関係性を明らかにしたことは、今後のFDプログラム設計において貴重な指針となります。