医学教育つれづれ

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臨床実習における予約患者診察の有無: 医学生の学習経験に違いはあるか?

Clinical Clerkship With or Without Scheduled Patient Consultations: Does It Make a Difference to Medical Students’ Experiences of Learning?.

Ilkjær, C., Nielsen, KJ.S., Kjær, L.B. et al.

Med.Sci.Educ. (2024).

https://doi.org/10.1007/s40670-024-02160-3

rd.springer.com

背景
医療専門家になるためには、リーダーシップとプロフェッショナリズムが必要であり、これは医学教育で学ぶべき重要なスキルである。 しかし、臨床実習の組織における教訓的な差異が、医学生がこれらのスキルを身につける機会にどのような影響を与えるかを理解することにはギャップが存在する。 本研究では、予定された患者診察がある場合とない場合の臨床実習が、医学生のリーダーシップや専門的行動の学習経験にどのような影響を与えるかを検討した。

材料と方法
質的な準実験的研究を実施した。

2つのグループに分けて比較:

メンター医師との実習のみ(41名)
メンター医師との実習 + 予約患者診察(46名)

データは、外科での8週間の臨床実習に参加した医学部5年生87人を対象に、11回の臨床実習終了後のフォーカスグループインタビューを通して収集した。 構成主義のレンズを使って、フォーカス・グループ・インタビューの記録を分析し、グラウンデッド・セオリーの原則を反復コーディング・プロセスに適用した。

 

結果

  1. CanMEDSロールの学習に関する発見:

a) 学生の立場(The Assumed Position of Students):

  • メンター実習群:「観察者」としての立場が主
  • 予約診察群:患者ケアへの「貢献者」としての立場を経験

b) 関与と責務(Involvement and Duty):

  • メンター実習群:「自己主導的」な学習機会の探索が必要
  • 予約診察群:「スケジュール化」された明確な役割と責任

c) 個々の臨床医への依存度:

  • メンター実習群:個々の臨床医との関係性に大きく依存
  • 予約診察群:より構造化された環境で、個人依存が少ない
  1. リーダーシップの学習:

a) 患者ケアとの意思決定:

  • メンター実習群:複雑な環境での意思決定を観察
  • 予約診察群:定期的な実践機会があるが、やや模擬的な環境

b) チームワークと時間管理:

  • メンター実習群:アドホックな性質で柔軟性が高い
  • 予約診察群:事前に定義された構造的な環境

c) リーダーシップ学習のプロセス:

  • メンター実習群:遠隔的な学習が多い
  • 予約診察群:より直接的な経験だが、非本質的な面も
  1. 専門職としての行動の学習:

a) 患者との専門的な交流:

  • メンター実習群:専門家として「見える」ことに重点
  • 予約診察群:専門家として「なる」プロセスを経験

b) 境界の認識と尊重:

  • メンター実習群:散発的な境界認識の機会
  • 予約診察群:頻繁な境界認識の機会

c) ロールモデリング:

考察

  1. 臨床意思決定学習への影響:
  • 両形態とも異なる学習機会を提供
  • 観察から積極的な貢献まで、幅広いスペクトラムでの学習が重要
  • 「シミュレーション」的要素の重要性を再認識
  1. 自己調整学習(SRL)の重要性:
  • 両グループともSRLストラテジーのサポートを求めている
  • ピアフォーカスグループの有用性が示唆された
  • コンテキストベースの学習支援の必要性
  1. 教育への示唆:
  • バランスの取れた教育アプローチの必要性
  • 構造化された患者診察と柔軟なメンター指導の組み合わせが理想的
  • ピアグループでの学習支援の重要性
  1. 限界と今後の課題:
  • 単一部門での研究による一般化の限界
  • 経済的側面の考慮が必要
  • さらなる長期的な効果の研究が必要