医学教育つれづれ

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チームベースドラーニング(TBL)。各フェーズが重要! TBLの各フェーズの重要性を探る実証研究

Team-based learning (TBL): Each phase matters! An empirical study to explore the importance of each phase of TBL
Linda RoossienORCID Icon, Tobias B. B. Boerboom, Gerard W. G. Spaai & Rien de VosORCID Icon
Published online: 29 Apr 2022
Download citation  https://doi.org/10.1080/0142159X.2022.2064736 

 

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/0142159X.2022.2064736?af=R

 

背景

チームベースドラーニング(TBL)では、理論に基づき、各フェーズでの知識開発が後続のフェーズや学習パフォーマンスに貢献すると仮定されている。しかし、この仮説に対する実証的な証拠はない。

TBLは、複数の学生チームによる構造化された一連の学習活動を、準備段階、準備保証段階、応用段階の3段階に分けて行い、最後に相互評価を行う

準備段階は、個人学習の段階である。この段階では、学生は、読書やeラーニングの課題など、プログラムされた活動をこなすことで、新しい情報を得ます

準備保証段階では、学生は準備の段階で学習した情報に対して責任を持つことになる(Michaelsen et al.) この段階では、学生は2つのテストを受ける。個人用準備確認テスト(iRAT)とチーム用準備確認テスト(tRAT)、これらを総称してRATと呼ぶ。

応用段階では、学生はチームで、前の段階で学習した情報を共有し、応用演習と呼ばれる問題解決に適用する

 

研究目的

TBLの各フェーズが、次のフェーズの知識開発および学習パフォーマンスにどの程度関連しているかを明らかにし、TBLと理論の関連性を検証する。

研究方法

医学部2年生56名を対象に、TBL前、3段階の各フェーズ後、TBL後の科学的概念の想起を測定した。多変量回帰分析を用いて、各フェーズ間の統計的関連性、および学習成績の総合的関連性を検討した。

結果

各段階において、学生は過去に想起した概念に加え、新たな概念を生み出していることが示された。また、各段階と学習成績の間には、0.19~0.26の有意な説明変数が存在することが示された。

考察

TBLの各段階における知識開発は、後続の段階における知識開発および学習成績に寄与することが示唆された。つまり、TBLの3つのフェーズのうち1つのフェーズで知識開発に利益をもたらす介入は、TBL全体の学習パフォーマンスの向上につながる可能性があることを意味している。また、TBLの3つの段階のそれぞれにおける介入が、TBLの学習パフォーマンスを向上させるために有効であることを意味している。TBLにおける知識の発展に有益な介入としては、TBLチームにおけるディスカッションの活用による予備知識の活性化、準備段階における自己規制のさらなる刺激、応用課題の採点などが考えられる

本研究では、TBLの各段階が、後続の段階での知識の発展やTBLの学習成果にとって重要であることを示しました。この結果は、TBLが社会構成主義的な学習理論に裏打ちされたものであるという考えを支持するものである。これにより、本研究はTBLの科学的証拠に貢献し、その基礎となる構成主義を支持するものである。本研究は、TBLの学習パフォーマンスにおける各フェーズの重要性に関して、より精緻な研究につながるものである。最後に、TBLプロセスにおける各フェーズの貢献度を向上させるための介入につながる可能性がある。

 

ポイント

本研究は、TBL の科学的裏付けに貢献し、TBL と基礎理論の関係を強化するものである。

TBLの各段階における知識開発は、後続の段階における知識開発、およびTBLの学習パフォーマンスにとって重要である

TBLの3つのフェーズのうち1つのフェーズでの知識開発に有益な介入は、TBLの総合的な学習パフォーマンスの向上につながりうる。