Consensus on Physical Exam Maneuvers Taught During Undergraduate Medical Education: a Modified Delphi Approach.
Swallow, M.A., Wride, A.M., Talwalkar, J.S. et al.
Med.Sci.Educ. (2024). https://doi.org/10.1007/s40670-024-02259-7

卒前医学教育においてどの身体検査操作を優先させるべきかについて、教育者の間で発表されたコンセンサスは不足している。 しかし、医学生は様々な専門分野に対する準備を必要としている。 そこで、私たちの施設では、各臨床実習経験者の教員を調査することで、医学生が臨床実習の開始前と終了までに実践すべき身体診察についてコンセンサスを得ることを目指した。
- 研究目的:
- 医学部の必修実習前と実習終了時までに学生が習得すべき身体診察手技について、各診療科の教員間でコンセンサスを得ること
- 研究方法:
- イェール大学医学部の各診療科(救急科、内科、神経科、産婦人科、小児科、精神科、外科)の教員を対象に修正デルファイ法を用いた調査を実施
- 「コア」手技(実習前に習得必要)と「応用」手技(インターン前に習得必要)に分類
- 合意基準は75%以上の同意
*コア手技(58項目)の主な例:
- 一般/バイタル領域:
- 全身状態の観察
- 意識レベルの評価
- オリエンテーションの評価
- 上肢の視診
- 毛細血管再充満の触診
- 橈骨動脈の触診
- 呼吸数の評価
- 血圧測定
- 精神状態:
- 注意力の評価
- 気分の評価
- 思考内容の評価
- 感情の評価
- 頭頸部(HEENT):
- 耳の診察
- 耳鏡検査
- 口腔内診察
- 眼の診察
- 眼底検査
- 対座法による視野検査
- ペンライトによる瞳孔反応
- 頭頸部リンパ節触診
- 甲状腺の診察
*応用手技(84項目)の主な例:
- 神経学的診察:
- 即時記憶の評価
- 遅延記憶の評価
- 前腕回内試験
- クローヌス試験
- 上肢・下肢の上位運動ニューロン徴候
- 痛覚検査
- 温度感覚検査
- 振動覚検査
- 位置覚検査
- Romberg試験
- 腹部診察:
- 脾臓腫大の触診
- 肋骨脊柱角の叩打痛
- 胆嚢炎の評価(Murphy徴候)
- 腹水波動
- 移動性濁音
- 腹膜炎の評価
- 新生児臍部の診察
- 発達評価:
- Tanner分類による発達段階評価
- 新生児の原始反射評価
- 新生児のApgarスコア評価
- 幼児期の歩行評価
- 主な結果:
- 58のコア手技と84の応用手技についてコンセンサスが得られた
- コア手技には一般診察/バイタル、精神状態、頭頸部、心血管、肺、腹部、神経学的診察、発達評価などが含まれる
- 応用手技には各専門分野に特化した詳細な診察手技が含まれる
- 研究の意義:
- 従来の研究は内科中心だったが、本研究では幅広い診療科からの意見を集約
- 医学部教育全体を通じた体系的な身体診察教育の指針となる
- 限界:
- 単一施設での小規模調査である
- 各診療科の代表者選定に偏りがある可能性