Resources Used to Teach the Physical Exam to Preclerkship Medical Students: Results of a National Survey
Uchida, Toshiko MD; Achike, Francis I. MD, PhD, MEd; Blood, Angela D. MPH, MBA; Boyle, Mary MD; Farnan, Jeanne M. MD, MHPE; Gowda, Deepthiman MD, MPH; Hojsak, Joanne MD; Ovitsh, Robin K. MD; Park, Yoon Soo PhD; Silvestri, Ronald MD
Author Information
Academic Medicine 93(5):p 736-741, May 2018. | DOI: 10.1097/ACM.0000000000002051
目的
米国の医学部学生に身体診察

を教える際に使用されるリソースを調査すること。
方法
Clinical Skills Courses Directorsは、Preclerkship Physical Examカリキュラムで採用されているリソースと教育方法について、49の質問からなる調査票を作成した。 このアンケートは2015年10月に医学教育連絡委員会認定の医学部全141校に送付された。 結果は学校間で平均され、データはクラスサイズによって重み付けされた。
結果
106の医学部(回答率75%)から得られた結果
- 教育時間配分
- 平均教育時間: 82時間 (標準偏差71時間)
- 中央値: 59時間
- 範囲: 30時間以下(12校)から200時間以上(6校)まで大きな差
- 教育場所の内訳:
- 小グループ教室: 32%
- シミュレーションセンター: 30%
- 講義: 13%
- 入院診療環境: 13%
- 外来診療環境: 9%
- 指導者構成
- 一般診療科教員: 65%
- 専門診療科教員(専門分野のみ指導): 13%
- 専門診療科教員(全般指導): 4%
- 上級生による指導: 5%
- 標準模擬患者のみでの指導: 12%
- 補償状況
- コースディレクター:
- 時間保障のみ: 42%
- 金銭的補償のみ: 29%
- 両方: 22%
- 補償なし: 6%
- 臨床指導医:
- 外来・講義担当教員の48%が無報酬
- 小グループ指導者の30%が無報酬
- 入院診療指導者の39%が無報酬
考察のポイント:
- 教育時間の課題
- 多くの医学部で教育時間が限られており、十分なスキル習得に懸念
- 特に実際の患者との実習時間が著しく少ない学校が多い
- クラークシップ(臨床実習)での教育機会も限られているため、実習前教育の重要性が高い
- 実践的経験の不足
- 実際の患者との接触が限られている(中央値で入院患者3時間、外来患者2時間のみ)
- 異常所見の診察経験が不足する可能性
- シミュレーションや学生間実習が中心となっている現状の限界
- 教員の直接観察不足
- 約半数の学校でのみ実際の患者との実習時に教員による直接観察あり
- 教育の質保証の観点から懸念される状況
- フィードバックの機会損失
- リソース活用の改善案
- 上級生の教育補助としての活用拡大
- 適切な教員への補償による教育時間の確保
- 革新的な教育方法の共有と導入
- 実際の患者との実習機会を増やすための工夫
- 将来への影響
- 不十分な身体診察教育は、将来の医師の診察能力に影響
- 不必要な検査への依存増加の可能性
- 次世代への教育にも悪影響を及ぼす可能性
結論
臨床実習前の医学生に身体診察を教えるために使用される教材には大きなばらつきがある。 学校によっては、実際の患者を診察する学生を教員が観察するだけでは、学生が能力を達成するのに十分でない場合もある。 身体診察を教える教員のかなりの割合が、その労力に見合う報酬を得ていないままである。 教員の報酬を改善し、上級生を教師として利用することを増やすことで、観察およびフィードバックをより多く行い、学生の身体診察スキルを向上させることができるかもしれない。