Association of Autism Spectrum Disorder and Attention Deficit Hyperactivity Disorder Traits with Depression and Empathy Among Medical Students
Authors Watanabe T , Kondo M , Sakai M, Takabatake S, Furukawa TA, Akechi T
Received 13 August 2021
Accepted for publication 18 October 2021
Published 28 October 2021 Volume 2021:12 Pages 1259—1265
DOI https://doi.org/10.2147/AMEP.S334155
目的
本研究は,医学生の自閉症スペクトラム障害(ASD)および注意欠陥多動性障害(ADHD)の特性と,うつ病および共感性との関連を調べることを目的とした。
対象者と方法
日本の医学部の5年生202名を対象に、クリニカルクラークシップ期間中の10カ月間、横断的な調査を行った。調査では、社会人口統計学的質問と、抑うつ症状(Hospital Anxiety and Depression Scale [HADS])、医学生の患者に対する共感性(Jefferson Scale of Empathy-Student version [JSE])、ADHDの特徴(ADHD Self-Report Scale Screener [ASRS Screener])、ASDの特徴(Autism-Spectrum Quotient Japanese version-21 [AQ-J-21])を測定する有効なツールを用いた。
結果
151名の学生(回答率:74.7%)が調査に参加した。そのうち、41名(27.2%)がHADSの合計スコアが20点以上であると報告し、うつ病に分類された。うつ病の学生は、非うつ病の学生に比べて、パートタイムの仕事を持っている率、他の学部への入学歴がそれぞれ有意に低く、高いことがわかった。ASRS ScreenerとAQ-J-21のカットオフ基準によると、31名(20.5%)と42名(27.8%)の学生が、それぞれADHDとASDの特徴を報告した。年齢と性別を考慮した多変量回帰分析の結果、年齢、ASRSスクリーナーの得点、AQ-J-21の得点が高いと、HADSの総得点も高くなることがわかりました。さらに、AQ-J-21スコアの高さはJSEスコアの低さを有意に予測した。
結論
本研究は、医学生の神経発達特性とうつ病や共感性との関連を調べた初めての研究である。日本の医学生の約30%が、クリニカルクラークシップ中に大うつ病性障害のスクリーニング基準値を超えていた。また、年齢が高いこと、ADHDやASDの特性が高いことは、うつ病の重症度と正の相関があった。さらに、ASD特性は、患者への共感性の低さとも関連していた。したがって、これらの特性を持つ医学生のうつ病の悪化と共感性の低下に対応するための介入戦略を早急に開発する必要がある。