Teaching multimorbidity to medical students
Kristy Penner, Sonja Wicklum, Aaron Johnston, Martina Ann Kelly
First published: 07 August 2024 https://doi.org/10.1111/tct.13794
https://asmepublications.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/tct.13794?af=R
背景
多疾患合併症は医療現場で増加しつつある現象であり、医師は複数の疾患を持つ患者を効果的にケアするための特別なスキルを必要とする。 にもかかわらず、ほとんどの医学教育は単一疾患、システムベースのアプローチで教えられている。 その結果、学生は多病併存患者の管理に苦労することになる。 最終学年の医学生が臨床実習で多疾患合併患者を管理できるようにするため、我々はヒューリスティック(heuristic:収集、集積、調整)を考案し、教育し、評価した。
アプローチ
- 事前学習:
- オンラインセッション(Zoomを使用):
- 質疑応答:
- 学生は事前学習の内容について質問する機会がありました。
- ブレインストーミング:
- 患者と医師の視点から、複数疾患管理の課題について議論しました。
- 小グループワーク:
- 質疑応答:
- フレームワークの内容:
- Collect(収集): 患者ファイルのレビュー、医師の予定、患者の優先事項の確認など
- Cluster(分類): 生物-心理-社会的アプローチ、即時の問題・活動的な問題・非活動的な問題の分類など
- Coordinate(調整): 患者との協力、他のチームメンバーとの連携、他の医療専門家の専門知識の活用など
- 社会構成主義的アプローチ:
- 学生が情報の構築者として積極的な役割を果たすよう設計されています。
- 事前学習で情報を同化し、授業時間中に積極的に学習を適用する機会を提供しています。
- ケースディスカッションや小グループ学習を通じて、社会的相互作用を通じた学習を促進しています。
結果:
- 学生の自信度の変化:
- 授業前: 36%(37名)の学生が複数疾患患者の管理に「やや自信がある」または「自信がない」と回答。
- 授業後: 74.5%(76名)の学生が「かなり自信がある」または「完全に自信がある」と回答。
- 「やや自信がある」または「自信がない」と回答した学生は12%(12名)に減少。
- 臨床実習での適用:
- 卒業前の調査(回答率46%、61名)では、52%(32名)の学生が家庭医療実習でこのアプローチを適用。
- 他の臨床分野でも適用:内科(21名)、小児科(12名)、産科、救急医療、麻酔科など。
考察:
- 教育効果:
- このフレームワークにより、学生の複数疾患患者管理への自信が大幅に向上。
- 家庭医療以外の様々な臨床分野でも適用可能であることが示された。
- 学生からのフィードバック:
- 60名の学生が複数疾患に関するさらなる指導を希望。
- より早期の導入(実習前や実習入門時)を提案。
- 1時間の授業は短すぎるとの意見。
- ロールプレイや模擬患者とのシミュレーションの要望。
- 後期の実習生からは、多剤併用、薬物最適化、減薬戦略に焦点を当てることを提案。
- 教育方法の改善案:
- フレームワーク適用のためのワークブックの開発。
- ロールプレイの録画を授業で使用する計画。
- 実習前の症例に複数疾患の要素をより明確に組み込む計画。
- アプローチの特徴:
- コミュニケーションスキルや病歴聴取の確立された原則を統合。
- 学生が異なる臨床経験を共有し、患者ケアへのアプローチの多様性を理解する機会を提供。
- チームワーク、医療調整、コミュニケーションの重要性を強調。
- 今後の展望:
- 他の医療専門家にも適用可能で、学際的なアプローチを促進。
- 患者の複雑性の増加に対応する実践的なツールとして期待。