医学教育つれづれ

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テーブルトップエクササイズを用いた救急科研修医のための災害対策トレーニング

Disaster Preparedness Training for Emergency Medicine Residents Using a Tabletop Exercise
Ariel Sena, MD1,∗, Frank Forde, MD2, Catherine Yu, MD3, Harsh Sule, MD, MPP4, M. Meredith Masters, MD5
Author Information
https://doi.org/10.15766/mep_2374-8265.11119

https://www.mededportal.org/doi/10.15766/mep_2374-8265.11119

はじめに

救急医療(EM)医は、地域社会における災害の最前線で活躍している。米国救急医学会(American Board of EM)による2016年の臨床実践モデルでは、災害管理は救急医の不可欠な任務であるとされている。われわれは、EM研修医のためにこのような訓練を実施するための、低コストで実現可能な卓上演習について述べた。

訓練の構成

  1. 導入講義: 訓練は15-20分の講義で始まり、ICS(Incident Command System)とSTART(Simple Triage and Rapid Treatment)トリアージの概念を紹介しました。
  2. グループ演習: レジデントは8-12人の2つのグループに分かれて演習に参加しました。各グループに1人のファシリテーターがつき、シナリオの進行を指導しました。
  3. 災害シーンシナリオ: グループは災害シーン(スポーツアリーナでの災害)を体験しました。地図を使ってトリアージや治療エリアを設定し、患者の急増に対応しました。
  4. 病院シーンシナリオ: 別のシナリオでは、緊急部の地図を使い、病院内での災害対応をシミュレーションしました。患者の振り分け、治療、リソース管理などの課題に対応しました。
  5. デブリーフィングと講義: 演習終了後、全参加者が集まりデブリーフィングを行い、体験の振り返りと改善点を共有しました。続いて、シナリオに関連する特定の知識ポイントをカバーする20-30分の講義が行われました。

結果

  1. 参加者: 合計29人のレジデントのうち18人が演習に参加しました。事前調査の回答率は76%(22/29)、事後調査の回答率は72%(13/18)でした。
  2. 知識評価: 医学知識の評価では、統計的に有意な変化は見られませんでした(63%から64%、p = .873)。
  3. 自信の向上: 災害事象管理に対する自信は、事前の2から事後の4に統計的に有意に向上しました(p = .011)。
  4. 評価: すべてのレジデントが、テーブルトップ演習が効果的な教育ツールであると評価しました。

考察

  1. 重要性: 災害医療の実践と大量傷病者管理はEM医師の重要なスキルとして認識されていますが、レジデンシープログラムでの訓練にはギャップが存在します。この訓練は、そのギャップを埋めるための有用な手段として機能しました。
  2. 利点: このテーブルトップ演習は、低コストで実施可能であり、少ない準備で多様なシナリオに適応できる点が評価されました。特に、小規模なプログラムや資源の限られた環境においても実施可能です。
  3. 制約: 各参加者の経験が異なるため、全員が同じスキルを練習できるわけではないという制約がありました。また、知識評価の向上が見られなかったことから、実践的な訓練と知識の定着の間にギャップがあることが示唆されました。
  4. 将来の展望: 今後は、この訓練をより大規模な機関で繰り返し実施し、その有効性を検証することが推奨されます。また、定期的な訓練を通じてスキルの劣化を防ぐことも重要です。