医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

研修医を指導する研修医 部局間研修医講義プログラムの事例

Residents teaching residents: The case for interdepartmental resident lecture programs
Christos Theophanous Reem Itani
First published: 10 September 2020 https://doi.org/10.1111/medu.14316

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/medu.14316?af=R

1 どのような問題に対処したのか?

大学院医学教育認定審議会(ACGME)と医学教育連絡委員会(LCME)は、研修医に指導技術の研修と評価を義務付けている。しかし、他科の研修医との正式な教育機会は少ない。部門間のプログラムの欠如は、サービス間のコミュニケーションの壁、知識のギャップ、共同ケア改善の機会を逃すことにつながると考えている。

 

2 何が試みられたのか?
シカゴ大学コマー小児病院では、2018年には、耳鼻咽喉科、眼科、精神科から研修医を招き、研修医同士の講演を行いました。内容は、研修医の意見、小児科学会の資料、一般的なコンサルテーションのトピックに基づいていた。各講義後の定性的な調査による非公式および形式的なフィードバックを収集し、要約しました。

 

3 どのような教訓が得られたか?
内容の学習以外にも、このプログラムの3つの利点を確認しました。


・講義は、診察パターンを正式に見直すきっかけになります。

眼科の講義の準備をすることで、小児科から眼科への 1 年間の受診を回顧的に検討することができました。

・講演会は、共同管理の問題についての貴重な議論を開始することができます。

正式な専門分野横断プログラムがなければ、コンサルティングとプライマリーサービスは、他のサービスが患者を共同管理する上で直面している課題に気づかない可能性があります。

・講義はユニークな指導経験を提供し、仲間意識を促進した。

非公式のフィードバックによると、異なる診療科の研修医を一堂に会させることで、一次相談サービスの「私たち」と「彼ら」という関係性を減らすことができ、少なくとも相談の電話の向こう側の声に顔を出すことができるとのことであった。また、研修医には、低コストの環境で指導スキルを磨き、専門外の聴衆と知識を共有する練習をする貴重な機会を提供した。