Components of interprofessional education programs in neonatal medicine: A focused BEME review: BEME Guide No. 73.
Parmekar, S., Shah, R., Gokulakrishnan, G., Gowda, S., Castillo, D., Iniguez, S., … Pammi, M. (2022).
Medical Teacher, 44(8), 823–835. https://doi.org/10.1080/0142159X.2022.2053086
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/0142159X.2022.2053086

はじめに
新生児医療は、呼吸不全、先天性心疾患、感染症、消化器系異常など、多様な疾患を抱える重症新生児のケアを扱う分野である。これらの患者は脆弱な集団であり、多職種の医療スタッフと家族による包括的なケアを必要とする。最適なケアの提供は、集中治療環境において全ての医療提供者がチームとして協調的に働くことに基づいている。
多職種連携教育(Interprofessional Education: IPE)は、世界保健機関(WHO)によれば「2つ以上の専門職の学習者が、効果的な協働を可能にし、健康アウトカムを改善するために、互いについて、互いから、互いと共に学ぶプロセス」と定義される。
研究方法
本レビューでは、2020年9月10日までの4つのオンラインデータベースとMedEdPublishを系統的に検索した。2名の著者が独立して、タイトル、抄録、全文のスクリーニング、データ抽出、バイアスリスクの評価を行い、不一致は第三の著者が解決した。報告はBEMEガイダンスとSTORIES声明に基づいて行われた。
主な結果
研究の概要
最終的に1996年から2020年に発表された17件の研究が包含された。これらの研究の特徴は以下の通りである:
- 地理的分布:75%が北米(米国9件、カナダ1件、メキシコ2件、グアテマラ1件)、欧州3件(英国、スウェーデン、スイス)、アジア1件(インド)
- 実施施設:学術機関9件、民間病院5件(三次・四次NICUを含む)、地域病院、地方診療所
- 参加者数:13名から700名以上まで幅広く分布
学習者と指導者の構成
学習者の職種:
- 看護師(最多)
- 医師(新生児科医、麻酔科医、産科医)
- 呼吸療法士
- 新生児ナースプラクティショナー
- 患者ケア技術者
- 親
- 早期介入専門家
- 医学研修生(新生児フェロー、小児科レジデント、助産学生、医師助手学生、看護学生)
6件の研究が2つの異なる学習者カテゴリーを含み、残りの11件は3つ以上のカテゴリーを含んでいた。
指導者の構成:
- 6件の研究は指導者の詳細を提供していない
- 7件は多職種の指導者を報告(様々な専門科の医師、ナースプラクティショナー、看護師、呼吸療法士、新生児フェローなど)
- 4件は1-2職種のみの指導者
指導者トレーニング: わずか4件の研究が指導者のトレーニングについて詳細を含んでおり、その期間は2日間から1週間と様々であった。
教育目標
- 新生児蘇生スキルの向上:9件(53%)
- チームワークとコミュニケーションスキルの強化:3件
- 特定の新生児プロセスへの対応:5件
- 家族中心ケアと早期介入プロトコル:2件
- 周産期・新生児緩和ケアにおける多職種協働の意識向上:1件
- 非侵襲的人工呼吸の知識向上:1件
- 新生児薬物離脱症候群の同定と管理:1件
理論的枠組み
明示的に報告された枠組み:
- TeamSTEPPS:6件の研究で使用(最も頻繁)
- その他:マルチメディア理論、成人学習理論、アクションリサーチプロセス
- Calgary Family Assessment and Intervention Model:1件
- 3件の研究は理論的枠組みについて言及なし
教育方法
全ての研究が少なくとも2つの教育方法を組み込み、76%が3つ以上を使用した
- シミュレーション(12件):
- 指導とピアコーチング:
- リアルタイムフィードバックの提供
- ロールプレイ:
- 訓練された俳優やピア学習者との小グループディスカッション
- チームベース学習・問題基盤型学習:6件
- 講義:12件(30分から4時間)
- 一部は技術訓練、シミュレーション教材、機器操作などで補完
- オンライン学習:6件
- 事前録画ビデオやオンラインモジュール
教育成果
Kirkpatrickの4段階評価モデルに基づく成果
- レベル1(参加者の反応):13件(76%)
- レベル2(知識とスキルの習得):全17件(100%)
- レベル3(行動への影響):4件(23%)
- レベル4(組織レベルまたは患者ケアへの影響):4件(23%)
研究の異質性のため、定量的メタ分析は実施できなかった。
質の評価
報告のバイアスリスク(RAGシステム)
5つの領域全てで低バイアスリスクと評価された研究はなかった
- 資源バイアス:報告が特に不十分
- 教育方法:53%の論文が十分な詳細を提供
- 優れた報告例:2件の研究が理論的基盤、プログラム開発、Kirkpatrick成果を明確に記述
研究方法のバイアスリスク(MERSQI)
全体として、ほとんどの領域で低スコアであったが、参加者の回答率と客観的データ評価は例外であった(図5):
- 研究デザイン:単一グループ前後比較が最も一般的
- サンプリング:大半が単一施設、残りは3施設以上
- 回答率:1件を除き全ての研究で75%以上
- 妥当性の証拠:6件の研究で報告なし(最も弱い領域)
- データ解析:1件を除きほぼ全ての研究で記述分析を超えた解析を実施(最も強い領域)
主要な知見
1. チームとチームワークの重要性
TeamSTEPPSは包含研究の3分の1以上で明示的な枠組みとして使用されたが、そのコンポーネント(リーダーシップ、コミュニケーション、相互支援、状況モニタリング)は残りのほとんどの研究でも共通の目標であった。
興味深いことに、Interprofessional Education Collaborativeが承認する多職種協働実践のコアコンピテンシー(4領域)は、17件中1件の研究でしか簡潔に言及されていなかった。
2. 非同期教育の活用
同期型教育の課題:
- 臨床業務の義務による調整の困難
- 遠隔地や利用可能性の欠如
- 多職種チームメンバーの不均等な分布
非同期教育の成功例: 2件の研究が同期型教育に加えて非同期型の教材モジュールを提供し、成功を収めた:
- Webベース学習モジュールとビデオを組み込んだマルチモーダル戦略
- 既存の教室学習の補助としての非同期オンライン教育から、完全な非同期教育への発展
3. 隠れたカリキュラムからの洞察
学習目標に明示的に記載されていなかったが、学習者は職場における互いの役割への理解が深まったと報告した:
- 学習者中心のアプローチ:意見を求め、教育全体を通じて反復的なプロセスを作成
- 階層の排除:全ての参加者が「リーダー」および「トレーナー」として機能することで学習環境を向上
- 相互理解の促進:非医師の指導者によるワークショップでは、一つの職種の役割と責任が他者に明白でない可能性があるという前提で構築
- 共同ファシリテーション:異なる専門職グループのスタッフによる共同指導が効果的
既存文献との比較
Hammickらによる系統的レビュー(2002年、後に2016年に更新)では、3-Pモデル(presage-process-product)を用いて知見が報告された。本レビューとの共通点:
- 資源の重要性:時間、空間的要因、経営陣の支持
- 性別の影響:チームワーク教育と経験に対する態度に影響(新生児医療では女性が男性より多いため今後の探求が必要)
- TeamSTEPPS枠組み:柔軟性があり、多様な医療専門職プログラムに適用可能
- 接触理論:多様な役割への接触が相互作用の質を改善する可能性
今後の研究と実践への推奨事項
COVID-19パンデミックの影響
従来、新生児IPEは従来の教育方法を用いた同期型の対面授業で提供されてきたが、COVID-19パンデミックによって課題が生じた。ビデオ会議プラットフォームで教室を置き換える緊急オンライン学習は、教育者に大きな課題をもたらした。
技術強化型非同期学習の可能性
適切な理論やベストプラクティスに基づく技術強化型非同期学習(またはリモート学習とのハイブリッド)は、心理的に安全な環境の形成と専門職の階層の平坦化を促進し、学習者が意義あるIPEに従事することを可能にする。
重要な推奨事項
- 概念的枠組みの活用:IPEプログラムは理論的基盤を用いるべき
- 指導者の育成とトレーニング:体系的な指導者育成が必要
- IPECコンピテンシーの統合:価値観と倫理、役割と責任、コミュニケーション、チームワーク
- 階層の排除:心理的安全性の創出、対話の促進、相互理解の向上
- 社会文化的文脈の検討:IPEだけでは不十分、財政的・組織的要因も考慮
- 長期的評価:知識とチームワークスキルの縦断的測定、特に職場ベース環境での評価
結論
本レビューは、新生児医療におけるIPEプログラムの構成要素を明らかにし、以下のベストプラクティスを特定した:
- マルチモーダル教育アプローチ
- 非同期教育の活用
- チームワークの強調
- 教育中の学習者間の階層排除
一方で、プログラム開発プロセスと指導者のトレーニングに関する報告の欠如が確認された。今後の研究では、学習者の長期的な知識とスキルの保持への影響、患者アウトカムと組織変革の報告に取り組むべきである。