The Immunology Game: A Board Game to Enhance Medical Immunology Education
Caleb Mckee1, Kieran Allowitz1, Spencer Boster1, Trevor Plowman1, Hunter Stutz1, Amar Paul1, Holly Reyes1,*, Alice Akunyili, MD2, Kevin Steed, PhD3
https://doi.org/10.15766/mep_2374-8265.11552
https://www.mededportal.org/doi/10.15766/mep_2374-8265.11552

背景
医学教育における課題
- 免疫学の複雑性: 自然免疫・獲得免疫、ワクチン、ウイルス、自己免疫など多岐にわたる内容
- 学習の負担: 医学生は限られた時間で膨大な情報を習得する必要がある
- 従来の教育法の限界:
- 講義とPowerPointスライド
- 教科書の読み込み
- これらは多大な時間と努力を要し、学生の関心を維持しにくい
ゲーミフィケーションの台頭
定義と歴史:
医学教育での実績:
デジタル vs アナログゲーム
デジタルゲームの特徴:
- 利点: アクセスが容易、コスト効率的
- 欠点:
- 技術的問題の可能性
- 社会的交流の欠如
- 眼精疲労などの健康問題
アナログボードゲームの利点:
- 糖尿病教育用ゲーム:薬理学、診断、管理における自信向上
- 神経学教育用ゲーム:研修医が神経学の側面を記憶するのに有効
- 生化学教育:従来の講義ベース教育より効果的
免疫学教育での既存研究
限定的な先行研究:
- オンライン免疫学ゲーム:ヘルパーT細胞になる過程を物語形式で体験
- 教育ソフトウェア:抗原-抗体関係を教える
- カードゲーム:高校生向け免疫学教育で有意な成績向上
研究のギャップ:
- ボードゲーム形式での免疫学教育はこれまで存在しなかった
- この研究がその空白を埋める試み
研究方法
対象者: Noorda College of Osteopathic Medicineの医学生41名
評価方法:
- ゲーム前後の知識テスト(12問の多肢選択式)
- 5段階リッカート尺度による満足度調査
主な結果
知識の向上:
学生の反応(5点満点):
- ゲームを楽しめた: 平均4.59点
- 学習効果を実感: 平均4.6点
- グラフィックの明瞭性: 平均4.31点
- ルールの理解しやすさ: 平均3.40点(最も低い評価)
肯定的なコメント:
- 「素晴らしいゲーム!」
- 「もっと長く遊びたかった」
- 「教育的可能性を実感できる」
改善点:
- 「ルールを理解するのが難しい」
- 「説明が長すぎる。図解があれば理解しやすい」
- 「最初は少し混乱した」
ゲームの特徴
ゲームメカニズムの例:
- マクロファージアクション:
- メカニズム: カードのアクションキュー内の位置に基づいて抗原クリスタルを収集
- 教育的意義: 貪食作用を模擬
- ナチュラルキラー細胞アクション:
- メカニズム: 抗原(クリスタル)を消費して病原体(カード)にダメージを与える
- 教育的意義: 細胞傷害活性を模擬
- 樹状細胞アクション:
- メカニズム: Tヘルパー細胞(カード)を獲得
- 教育的意義: 抗原提示を反映
開発過程:
- 5回のプロトタイプ試作
- 医学生と教員からのフィードバックによる改良
実施要件
- 所要時間: 約100分
- ゲーム前テスト:10分
- ルール説明:10分
- ゲームプレイ:50分
- ゲーム後テスト:10分
- アンケート:10分
- 人員: 4〜8名の参加者につき1名のファシリテーター
考察
教育的有効性
即時的な価値:
- 従来の講義ベース教育を補完・強化
- インタラクティブで協働的な学習活動を提供
- 概念理解と学生エンゲージメントの両方を促進
適応性:
- モジュラーデザイン:
- 特定の学習目標に合わせてカスタマイズ可能
- カリキュラムフレームワークに適応
- 小グループプレイまたは大教室でのチームベースプレイ
実装の容易さ:
- 印刷物のみで実施可能
- 最小限の追加リソース
- 他の機関でも容易に実装可能
強化される概念:
- 自然免疫と獲得免疫の区別
- T細胞サブセットの機能
- サイトカインシグナリング
- 免疫細胞間の相互作用
先行研究との比較
一致する知見:
- ゲームベースの教育ツールが知識習得を強化
- 学習者のエンゲージメントが向上
- 生化学、神経学、糖尿病教育での類似結果
新規性:
文献への貢献:
- 免疫学教育のギャップを埋める
- 伝統的なボードゲームの有効性を示す
- 容易に適応可能な方法論を提供
結論と今後の展望
有効性:
- 免疫学の概念を効果的に強化
- 学生の理解度と関心を向上
- 従来の講義を補完する価値ある教材
今後の改善点:
- ルールをより明確で簡潔に(ビデオチュートリアルの追加など)
- 長期的な知識保持の評価
- より大規模で多様な学生集団での検証
- デジタル版の開発
限界:
- 調査ツールの妥当性検証が不十分
- 長期的な知識保持の未評価
- 物理的なゲームスペースの確保が必要
実装のための推奨事項
教育機関向けガイダンス
準備段階:
- 材料準備:
- ファシリテータートレーニング:
- ルールブックを使用した1時間のトレーニング
- 実践ゲームの実施
- ルールの複雑性に対処
- 環境設定:
- 2〜4名のプレイヤー用のテーブル配置
- ゲームボード用のスペース確保
- クイズ/調査材料の準備
- クイズの適応:
- ローカルな免疫学カリキュラムと整合
- 質問マッピングの使用
- ルールの簡素化:
- クイックスタートガイドで補完
- ビデオチュートリアルの活用
- 学習曲線の軽減
カリキュラム統合
タイミング:
- 免疫学コースの中盤が理想的
- 基礎概念の導入後
- 高度なトピックに入る前
統合方法:
- 講義の補完として
- ラボセッションの一部として
- 復習セッションとして
- 試験準備活動として
評価への組み込み:
- 形成的評価ツールとして
- 自己評価の機会として
- ピアラーニングの促進