WFME HISTORY OF THE FIRST 40 YEARS

WFMEの設立経緯
医学教育は古代ギリシャ以来、医学の重要な構成要素であったが、18世紀の啓蒙時代に独立した学問分野として確立された。1910年のフレクスナー報告は、世界的な医学教育の質向上に大きな影響を与えた。
WFMEの設立に向けた機運は、1966年のニューデリーで開催された第3回世界医学教育会議において高まった。汎米医科大学連盟(PAFAMS)会長のAmador Neghmeが招集した会議で、世界各地から集まった20名の著名な医学教育者が、世界医学教育連盟の設立を決定した。
1972年9月30日、デンマークのコペンハーゲンで開催された第4回世界医学教育会議において、WFMEは正式に設立された。設立憲章には、各地域の医科大学連盟代表、WHO事務局長代表、世界医師会会長が署名し、WHOジュネーブ本部に正式に登録された。
組織構造と機能
WFMEは6つの地域医学教育連盟から構成される:
- アフリカ医科大学連盟(AMSA)
- 汎米医科大学連盟(PAFAMS)
- 東地中海地域医学教育連盟(AMEEMR)
- 欧州医学教育連盟(AMEE)
- 東南アジア地域医学教育連盟(SEARAME)
- 西太平洋地域医学教育連盟(AMEWPR)
WFMEは1974年1月30日にWHOと正式な関係を結び、NGOとして認定された。これにより、WFMEは世界レベルで医学教育と医科大学を代表する機関として認識されることとなった。
歴史的展開
ベセスダ期(1972-1983年)
最初の中央事務局は米国メリーランド州ベセスダに置かれ、Andrés A. Santasが会長を務めた。この期間の主要な活動は以下の通りである:
- 人口変動と医師プログラム: 人口増加に関連する社会問題における医師の役割に焦点を当てた
- 医学教育と保健医療: 1978年のアルマ・アタ会議に向けた準備活動を展開
- 地域志向型医科大学ネットワーク: 革新的な医科大学のネットワーク形成を支援
エジンバラ期(1983-1996年)
Henry Waltonが会長に就任し、中央事務局はエジンバラ大学に移転した。この時期の最も重要な業績は、医学教育の方向転換改革プログラムである。
エジンバラ宣言(1988年)
1986年から開始された世界規模の調査プロセスは、以下の段階を経て進められた:
この会議で採択されたエジンバラ宣言は、医学教育改革の12の原則を示した画期的な文書となった:
医科大学内での行動
- 教育環境の拡大
- 国民の健康ニーズをカリキュラムの背景とする
- 生涯学習のための能動的学習方法
- 専門的能力の要求
- 医学教師の教育者としての訓練
- 疾病予防と健康増進
- 科学と臨床実践の統合
- 知的・非知的資質に基づく学生選抜
より広い関与を必要とする行動 9. 医学教育と保健医療システムの調整 10. 医療スタッフのバランス 11. 多職種訓練とチームワーク 12. 継続医学教育の提供
エジンバラ宣言は、1989年のWHA決議42.38により世界保健総会で承認され、全加盟国に実施が求められた。
1993年世界サミット
「変化する医療専門職」をテーマとした世界サミットが再びエジンバラで開催された。このサミットは、医療提供システムの世界的変化に対応するため、5つの分野で22の具体的勧告を採択した。これらの勧告も1995年のWHA決議48.8により承認された。
第1次コペンハーゲン期(1996-2008年)
Hans Karleが会長に選出され、中央事務局はコペンハーゲン大学とルンド大学の共同支援のもとに置かれた。
WFME国際標準プログラム
この時期の最も重要な業績は、医学教育の質向上のためのWFME国際標準の開発である。1998年の執行評議会ポジションペーパーにより、以下の目的が設定された:
- 各教育機関の自己評価促進
- 国内・国際的な認証システムの確立
- 医師の国際的承認の基盤構築
3部作(Trilogy)の開発
医学教育の3つの段階それぞれに対する国際標準が開発された:
標準は2つのレベルで定義された:
- 基本標準(認証のための最低要件)
- 質向上標準(改革のための発展目標)
2003年コペンハーゲン世界会議
「より良い保健医療のための医学教育の国際標準」をテーマに、88カ国から500名以上が参加した。この会議でWFME国際標準3部作が正式に採択された。
実施状況
2012年時点で:
第2次コペンハーゲン期(2008年-)
Stefan Lindgrenが会長に就任し、以下の新たな取り組みが進められた:
- アヴィセンナ医科大学名簿: WHO世界医科大学名簿を近代化し、包括的なデータベースを構築
- PhD教育標準: 2012年に欧州における生物医学・健康科学のPhD教育標準を公表
- 社会的責務プロジェクト: 医科大学と社会の利害関係者との相互作用を強調
- メタ認証プログラム: 国内・地域認証機関の国際的評価システムを開発
WFMEの意義と今後の課題
40年の活動を通じて、WFMEは以下の点で国際医学教育の質的発展に大きく貢献した:
- 国際標準の確立: 医学教育の質を評価する世界共通の基準を提供
- 改革の推進: エジンバラ宣言を通じた世界規模の医学教育改革
- 認証システムの促進: 透明性の高い質保証メカニズムの構築
- 国際協力の強化: WHO、UNESCO等との戦略的パートナーシップ
今後の優先課題として:
- 国際標準のさらなる実施促進
- 地域連盟の活動強化
- メタ認証システムの確立
- 世界医科大学名簿の充実
- 将来の医師の国際的役割の定義
WFMEは、医学教育の質向上を通じて、最終的には世界中の人々のより良い保健医療の実現を目指している。その使命は、高い科学的・倫理的・社会的標準に基づく医師およびその関連人材の教育により、世界規模で有能な医療・保健サービスの提供に貢献することである。
Hans Karle、Henry Walton、Stefan Lindgrenによる「世界医学教育連盟 最初の40年の歴史、1972-2012」(2012年10月31日草稿)に基づいて作成した。