Optimizing anatomy dissection teams using the Yukari method: A peer compatibility-based approach
Tohru Murakami, Toru Araki, Yuki Tajika, Hitoshi Ueno, Sotaro Ichinose, Hirohide Iwasaki, Hiroshi Yorifuji
First published: 03 October 2025 https://doi.org/10.1002/ase.70124
https://anatomypubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ase.70124?af=R

背景と動機
- 医学教育における解剖実習は少人数チームで行われるのが一般的
- 2014年、献体数の制限により急遽ランダムなチーム編成を行ったところ、チーム内の衝突が増加
- この問題を解決するため、2015年に自動化されたチーム編成システムを開発
ゆかり法の仕組み
基本原理:
- 学生間の「相性(peer compatibility)」を最大化するアルゴリズム
- 事前のウェブ調査で各学生が全クラスメートを5段階で評価
- Yukari 2(改良版)では、解剖への意欲と残業可能時間も考慮
技術的側面:
データ収集:「ゆかりピア選好調査」
Yukari 1(2015年):
- 安全なオンライン調査を実施
- 各学生が全クラスメートを5段階で評価
- 5: 非常に望ましいチームメイト
- 1: 望ましくないチームメイト
- 空欄: 自動的に3として処理
- 事前説明会で「個人的好み」ではなく「学習上の相性」を基準に評価するよう指示
Yukari 2(2016年以降):
- 上記に加えて2項目を追加:
- 解剖実習への意欲(1-5段階)
- 遅くまで残る意欲(1-5段階)
主な成果
学業成績:
- Yukari 2を使用したクラスは他の方法より約10%成績向上
- チーム満足度、利用可能時間、チーム相性が成績と正の相関
学生満足度:
- ランダム編成より有意に高い満足度
- 自己選択と同等の満足度
- 自己選択では約25%の学生が実習後に評価を下げたが、ゆかり法では半分以下
他の編成方法との比較
- ランダム編成: 効率的だが満足度低い
- 自己選択: 初期満足度は高いが、社会的スキルに依存し、一部の学生にストレス
- バランス型: 多様性は確保できるが学生の自己決定を尊重しない
- ゆかり法: 効率性、平等性、学生の自己決定を両立
比較表
| 特性 | ランダム | 自己選択 | バランス型 | ゆかり法 |
|---|---|---|---|---|
| 学生の自己決定の尊重 | 低 | 高 | 低 | 高 |
| 学生の機会平等 | 高 | 普通 | 低 | 高 |
| 選択中の心理的快適さ | 高 | 低 | 高 | 高 |
| 編成の効率性 | 高 | 低 | 高 | 高 |
| 計算負荷 | 低 | 低 | 高 | 高 |
| 初期印象 | 低 | 高 | 普通 | 高 |
| 満足度 | 普通 | 高 | 普通 | 高 |
| 後悔の少なさ | 高 | 低 | 高 | 高 |
| 学業成績 | (基準) | 差なし〜高 | 差なし〜高 | 高 |
限定事項と今後の展開
- COVID-19の影響で対面交流が減った時期もデータに含まれる
- プライバシーへの懸念(約30%の学生が表明)
- 完全自動化システムの開発を提案
- 他分野(工学、社会科学など)への応用可能性
この研究は、解剖学教育における初の自動化チーム編成最適化の報告であり、学生の成績と満足度の両方を向上させる効果的な手法として評価されています。