医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

医学部教育におけるデジタルヘルス能力:スコーピングレビューとデルファイ法調査

Digital health competencies in medical school education: a scoping review and Delphi method study

Mark P. Khurana, Daniel E. Raaschou-Pedersen, Jørgen Kurtzhals, Jakob E. Bardram, Sisse R. Ostrowski & Johan S. Bundgaard 
BMC Medical Education volume 22, Article number: 129 (2022)

 

bmcmededuc.biomedcentral.com

 

はじめに
医療分野におけるデジタルヘルスの大きな可能性を実現するためには、デジタルヘルスが医学教育の一部として統合される必要がある。我々は、スコープレビューとデルファイ法による調査を通じて、医学生向けのデジタルヘルスカリキュラムにどのような知識、スキル、態度を含めるべきかを調査することを目的とした。

 

調査方法
我々は、医学教育に関連するデジタルヘルスに関する文献のスコーピングレビューを行った。主要なトピックは、知識(事実、概念、情報)、スキル(課題を遂行する能力)、態度(考え方や感じ方)の3つのサブカテゴリーに分けられた。その後、専門家がデジタルヘルスのトピックを医学生のカリキュラムに含めるべきかどうか、1(強く反対)から5(強く賛成)までの尺度で2ラウンドにわたって評価する修正デルファイ法を使用しました。医学生向けのデジタルヘルスカリキュラムに含めることが重要なトピックを特定するために、事前に定義されたカットオフ値≧4が用いられた。

 

結果
スコープレビューの結果、合計113の論文が含まれ、65の関連するトピックが抽出され、アンケートに含まれました。このトピックを18人の専門家が評価し、全員が2回のアンケートに回答した。3つのサブカテゴリの合計で40のトピック(62%)が、事前に定義された評価のカットオフ値である4以上を満たした。

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結論
専門家委員会は、医学部で教えるべき知識(22トピック)、スキル(6トピック)、態度(12トピック)のうち、40の重要なデジタルヘルスのトピックを特定した。各トピックの平均評価は、カリキュラムに含めるべき相対的な重要性を表していると理解することができる。健康におけるデジタルツールの役割が大きくなっていることを考えると、この発展に対応したカリキュラムの変更が必要である。この研究から得られた洞察は、将来のデジタルヘルス・カリキュラムの開発において、医学およびデジタルヘルス教育者の指針となるものである。