Where Does the Week Go? Parsing Trends in Program Director Workload.
Turlington M, Newland J, Cahn M, Campbell B, Kavic SM.
J Grad Med Educ. 2025;17(2):204-210. doi:10.4300/JGME-D-24-00473.1
研究概要
目的: 研修プログラム責任者の在職期間、勤務時間、研修医の離脱率の関係を調査
方法: 2012年から2021年のACGME(米国卒後医学教育認定評議会)データを用いた後方視的研究
主な結果
1. 在職期間の短縮
- 2012年から2021年にかけて、PD の平均在職期間は7.0年から6.6年に短縮
- 特に胸部外科で最も大きな減少(29%減)
2. 勤務時間の変化
3. 専門科別の特徴
- 外科系専門科: 臨床指導により多くの時間を配分
- 内科系専門科: 管理業務により多くの時間を配分
- 全専門科で教育に費やす時間は8-18%程度
4. 研修医離脱率との関連
- 重要な発見: PD が臨床指導により多くの時間を費やすほど、研修医の離脱率が有意に低下
- PD の交代率と研修医離脱率には有意な関連は認められず
臨床的意義
問題点
- PD の在職期間短縮は研修医の国家試験合格率低下と関連
- 勤務時間減少により PD の職務満足度が低下する可能性
- 管理業務負担の増加がバーンアウトの要因となる可能性
示唆
- 臨床指導に十分な時間を確保することが研修医の定着率向上に重要
- 適切な研修医支援と指導が離脱防止に効果的
- PD への支援体制強化の必要性
研究の限界
- 集計データを使用しているため、個々のPDの詳細情報が不足
- 研修医の満足度や能力評価など、より包括的な評価指標の必要性