Advances in Physiology Education 0 0:0
https://journals.physiology.org/doi/abs/10.1152/advan.00248.2024?af=R

研究背景
- ゲーミフィケーション学習は医学教育で増加している傾向
- エスケープルームは謎解き・パズル解決を通じて教育内容を学ぶ方式
- バーチャルERの開発ガイドラインや学生の評価が不足していた
方法論と設計
QUB(腹部解剖学VER):
- プラットフォーム:Google Workspace(Google Slides/Forms)
- 3Dモデル作成:Photogrammetry(後腹壁、肝臓)
- シナリオ:消化器内科クリニックで3人の患者を診察
- 評価方法:25項目のリッカート尺度調査、フォーカスグループ
- 特殊な課題:
- Puzzel.orgでのジグソーパズル
- 3Dモデルからの構造特定
- 病理標本の360度写真
- ChatGPTで作成したなぞなぞ
- 医用画像の解釈
VCOM(上肢解剖学VER):
- プラットフォーム:Google Workspace + Virtual Human Dissector(VHD)
- デザイン:解剖実習室の写真に10個の透明な形状を配置
- 評価方法:14項目のリッカート尺度調査(既存の検証済みツール使用)
- 特殊な課題:
参加者の詳細
QUB:
- 招待69人(医学生57人、教職員12人)中9人参加(13%)
- 4グループ(2〜3人)で実施
- 2グループが35分以内に完了、平均43分
VCOM:
- 解剖学インターン/チューター27人中8人参加(30%)
- OMS-I(1年生)4人、OMS-II(2年生)4人
- 1人のみ50分以内に完了
フィードバック分析の詳細
QUBの調査結果(n=9):
- 全体的な満足度(Cronbach's α=0.79):
- 楽しい:4.89±0.33
- 理解しやすい:4.22±0.44
- チームワーク促進:4.89±0.33
- コミュニケーション促進:4.44±0.53
- グループ活動を楽しめた:5.0±0
- 3Dモデル(α=0.66):
- 有用な教材:4.44±0.73
- 画質は十分:4.33±0.71
- 将来の復習に役立つ:4.67±0.5
- ただし、操作性に課題:2.22±1.48
- 病理標本(α=0.60):
- 画質は良い:4.44±0.73
- 有用なリソース:4.11±0.60
- 病理の特定に困難あり:4.00±1.22
VCOMの調査結果(n=8):
- 学習ツールとしての効果(α=0.61):
- 新しい視点で考えられた:4.5±0.53
- 効果的な復習方法:3.75±1.04
- なぞなぞ/パズルは学習の妨げではない:1.88±0.35
- 将来の改善要望:
- チームベースを希望:3.88±1.13
- 対面実施を希望:3.88±1.13
- 通常講義は維持:2.5±1.07(置き換えるべきではない)
フォーカスグループの主要テーマ
QUBの3つの主要テーマ:
- 動機付けと楽しさ:
- 競争的な要素が動機付けになる
- 早い段階での実施が特に効果的
- 従来の講義/実習に変化をもたらす
- 知識の定着ツールとして最適(教授法としてではなく)
- 3D仮想モデルの有用性:
- 復習ツールとして効果的
- 遺体標本が基本だが補助として有用
- 自宅からアクセス可能な利点
- 操作方法の事前指導が必要
- 病理標本の価値の不確実性:
- 方向感覚を失いやすい
- 単独では十分ではない
- ラベルが必要
- 健常との比較があると理解しやすい
実践的な考慮事項
AI(ChatGPT)の活用:
- なぞなぞの生成に効果的
- 情報の正確性を確認する必要あり
- 倫理的な考慮が必要(偏見、プライバシー)
時間配分:
- 多くの参加者が制限時間内に完了できず
- パイロット実施で適切な時間設定が必要
- 失敗による落胆を防ぐ
技術的課題:
研究の限界
- サンプルサイズ:QUB(9人)、VCOM(8人)と小規模
- 選択バイアス:自発的参加者はゲーム好きの可能性
- 時間制約:カリキュラムへの完全な組み込みは困難
- 技術的要件:一部の学生に技術的難しさ
改善提案
- 報酬システム:成功チームへの賞品
- インタラクティブ要素:ホワイトボード機能の活用
- 事前指導:3Dモデルの操作方法
- ヒントシステム:個人が詰まった際の救済措置