The burden of unexpected costs in medical school
Madeleine Ball ,LeAnn Lam ,Megan Tigue,Simone Herzberg,Luke Finck
Published: December 5, 2024
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0312401

背景
医学部の学費は上昇の一途をたどっている。 まだよく理解されていないのは、医学部でのいわゆる「予期せぬ費用」であり、明示的に要求されているわけではないが、成功のためには最も重要であると考えられている。 本研究の目的は、医学部にかかるこれらの費用の影響を特定、定量化、分析し、これらの負担を軽減するための示唆を提供することである。
方法
全米の医学生を対象に、医学部進学にかかる予期せぬ費用(試験対策教材、臨床用品、学生費用など)、およびこれらの費用が精神的・経済的健康に及ぼす影響について質問紙調査を実施した。 この多施設横断的調査研究では、総費用、予想費用と実際の費用の認識、幸福感への影響などの結果が得られた。
調査結果
- 費用の実態:
- 平均で4,937ドルの予期せぬ追加費用が発生
- 回答者の83%が予想以上の自己負担を経験
- 51%が大学が提示する就学費用の見積もりは実態を反映していないと回答
- 財政的影響:
- 68%の学生が追加費用は財政的制約になったと報告
- 第一世代の大学生(家族で初めて大学に進学)では89%と、より深刻な影響
- メンタルヘルスへの影響:
- 65%の学生が財政的懸念により精神的健康に影響があったと報告
- 第一世代の大学生では85%とさらに高い割合
費用の内訳:
- 臨床実習用品
- テスト準備教材やテキスト
- 必須の試験費用
- 臨床実習用の服装
- 学生費用
- レジデンシー関連費用
研究の重要性:
提言:
- 費用の透明性向上
- 財政支援リソースの周知改善
- 第三者機関による費用削減への取り組み
- 機関間での協力体制の構築
結論
ほとんどの学生が、医学部にかかる総費用は予想よりもかなり高く、ストレスの原因となり、精神的健康に悪影響を及ぼすと考えていた。 経済的な制約と精神的健康と幸福への影響は、大学第一世代の学生において最も顕著であった。 この研究は、授業料以外の費用に関するコミュニケーションを改善し、それらの費用を軽減するための支援やアドボカシーを提供することの重要性を明らかにした。 今後の調査では、医学部での予期せぬ出費の負担が他の層にどのような影響を与えるかをさらに調べる必要がある。