The effect of different patient-based learning models on student perceptions of empathy, engagement, knowledge, and learning experience
Luke Leigh &Zi Hong MokORCID Icon
Received 10 Aug 2023, Accepted 26 Mar 2024, Published online: 12 Apr 2024
Cite this article https://doi.org/10.1080/0142159X.2024.2337254
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/0142159X.2024.2337254?af=R
背景
問題解決型学習は、理論と実践を結びつける方法として、現実的な患者シナリオを通常の授業に取り入れることで、薬学や医学のプログラムで広く使用されている。日常的な症例ベースの学習授業は、実際の患者の参加、脚本化された患者シナリオ、デジタルシミュレーション(アバター)、Zoomのようなメディアを使ったものなど多岐にわたる。既存の文献では、臨床教育において患者を使用することの広範な利点が検討されているが、学習ツールとしての各モデルの有効性を直接比較した研究は少ない。
目的
学生の共感を引き出し、学習意欲を高め、知識を向上させ、学習経験を豊かにするための患者ベースの学習モデルに対する学生の認識を比較すること。
方法
スウォンジー大学の薬学部の2年生にアンケートを配布し、日常教育における9つの異なる患者ベースの学習モデルについての認識を収集した(SUMS RESC 2023-0011)。学生には、(1)学生の共感を引き出す、(2)学習意欲を高める、(3)知識を向上させる、(4)学習経験を豊かにする、という4つの柱に基づいて、各モデルの経験を互いに明確に順位付けするよう求めた。学生はまた、自分の経験に対するリアリズム(すなわち、患者の属性を知っていること/患者の視覚的表現があること)の重要性を評価するよう求められた。
*患者ベースの学習モデル(PBLM)
・プレースメントでの実際の患者との対面
・講義室での実際の患者との対面
Zoomでの実際の患者との対面
実際の患者の事前録画ビデオの視聴
スクリプト化されたシナリオとシミュレーション患者のビデオ/アバター(統合ケーススタディ)
・スクリプト化されたシナリオに基づいて、シミュレーション患者のビデオやアバターを用いたケーススタディ。
・スクリプト化されたシナリオに基づいて、シミュレーション患者の画像を用いたケーススタディ。
・スクリプト化されたシナリオのみ(シミュレーション患者体験)
・Xerteを使用したケーススタディ
結果
9つの学習モデルについて、合計31人の学生の順位が重み付けされた(9=最高順位、1=最低順位)。
共感の引き出し
- 最高評価: 実際の患者との対面(プレースメント)
- 高評価: 実際の患者との対面(講義室)、Zoomでの対面
- 中程度の評価: シミュレーション患者のビデオ/アバター
- 低評価: スクリプト化されたシナリオのみ、Xerte
- 要点: 学生の共感は、実際の患者と対面することで最も強く引き出されました。ビジュアル要素(ビデオやアバター)も一定の効果を示しましたが、テキストのみのシナリオやXerteは効果が低いとされました。
エンゲージメントの向上
- 最高評価: 実際の患者との対面(プレースメント)
- 高評価: 実際の患者との対面(講義室)、シミュレーション患者のアバター
- 中程度の評価: Zoomでの対面、実際の患者の事前録画ビデオ
- 低評価: スクリプト化されたシナリオのみ、Xerte
- 要点: 実際の患者との対面が最もエンゲージメントを向上させました。アバターを使ったシミュレーションも効果的でしたが、テキストのみのシナリオやXerteはエンゲージメントが低いと評価されました。
知識の向上
- 最高評価: 実際の患者との対面(プレースメント)
- 高評価: 実際の患者との対面(講義室)、シミュレーション患者のビデオ/アバター
- 中程度の評価: Zoomでの対面、実際の患者の事前録画ビデオ
- 低評価: スクリプト化されたシナリオのみ、Xerte
- 要点: 実際の患者との対面が最も知識の向上に寄与しました。ビデオやアバターも効果的でしたが、Xerteは知識の向上にはあまり効果がないとされました。
学習体験の充実
- 最高評価: 実際の患者との対面(プレースメント)
- 高評価: 実際の患者との対面(講義室)、シミュレーション患者のアバター
- 中程度の評価: Zoomでの対面、実際の患者の事前録画ビデオ
- 低評価: スクリプト化されたシナリオのみ、Xerte
- 要点: 実際の患者との対面が最も学習体験を充実させました。アバターを使用したシナリオも一定の効果を示しましたが、テキストのみのシナリオやXerteは効果が低いとされました。
考察
プレースメントと対面インタラクション
- 強み: 学生は、プレースメントや講義室での実際の患者との対面で、最も高い共感、エンゲージメント、知識、学習体験を得られました。これにより、実際の臨床環境での学習が非常に効果的であることが確認されました。
- 課題: しかし、一部の学生はプレースメントを高く評価しなかったことから、臨床教育の質や指導の一貫性が重要であることが示唆されます。また、ストレスが高い環境での学習は、学生にとって負担となる可能性があります。
実際の患者 vs. シミュレーション患者
- 共感の引き出し: 実際の患者が最も効果的ですが、シミュレーション患者(特にビデオやアバター)も一定の効果を持ちます。
- エンゲージメント、知識、学習体験: シミュレーション患者のビデオやアバターは、実際の患者とのZoom対話や録画ビデオと同等かそれ以上の効果を示しました。これは、視覚的およびインタラクティブな要素が学習体験を向上させることを示しています。
Xerteソフトウェア
- 評価の低さ: Xerteは全ての学習ターゲットにおいて最低評価でした。これは、視覚的要素やインタラクティブ性が不足しているためと考えられます。
統合ケーススタディ vs. シミュレーション患者体験
- 視覚的要素の重要性: 統合ケーススタディでの視覚的な患者表現(ビデオ/画像)は、学習体験を大幅に向上させました。視覚的な表現が共感を引き出すためには特に重要であることが示されました。
結論
- 教育者への提案: プレースメントは非常に効果的な学習モデルですが、全ての学生に適しているわけではありません。バーチャルやシミュレーション患者も効果的な学習ツールであり、特に視覚的要素やインタラクティブ性が重要です。
- 学生の視点の尊重: 教育者は、学生の視点を理解し、彼らの学習ニーズに応じた最適な学習モデルを選択する必要があります。