Student characteristics associated with interpersonal skills in medical consultations
Alexandre Bellier, Philippe Chaffanjon, Patrice Morand, Olivier Palombi, Patrice Francois & José Labarère
BMC Medical Education volume 22, Article number: 338 (2022)
背景
医療の質は、医師と患者の効果的なコミュニケーションに依存する。対人関係スキルは教育によって向上させることができるが、その決定要因については十分に理解されていない。そこで我々は,医学生の模擬診察における対人関係スキルに関連する要因を評価した.
本研究の目的は、4つの習慣コーディングスキーム(4-HCS)を用いて標準化された模擬患者との医療相談を通じて評価されるコミュニケーションおよび対人スキルに関連する学生の属性および教育関連特性を明らかにすることであった。第一の研究仮説は、4-HCSの得点に男女差があり、文献と一致することであった。また、副次的仮説として、1)臨床前期の学業成績の良さは、学生のモチベーションの高さとそれに伴う診察時のコミュニケーション課題の達成度の高さを反映している、2)臨床経験の深化は4-HCSスコアの高さと関連している、3)選択的国際交流・研究プログラムへの参加は学生の対人スキルに貢献している、というものであった。
*4-HCSは、23の基本的な医療面接課題を評価するために設計された標準的な尺度であり、Invest in the beginning(6項目)、Elicit the patient's perspective(3項目)、Demonstrate empathy(4項目)、および Invest in the end(10項目)の4次元で構成されている
方法
医学部4年生を対象に、標準的な患者を対象とした模擬診察の横断的研究を実施した。ビデオ録画された各診療は、4つの習慣コーディングスキーム(4-HCS)をフランス語に異文化変換したものを用いて、2人の評価者によって独立に評価された。その後、人口統計学と教育関連特性に関する情報を収集した。4-HCSの総合得点と学生の特性との関係を、単変量および多変量線形回帰を用いてモデル化した。
結果
分析対象は、165名の医学生であった。4-HCSスコアと有意に関連する要因は、性別(β = - 4.8, p = 0.011)、国際臨床実習(β = 6.2, p = 0.002) または研究室実習(β = 6.5, p = 0.005) の修了であった。教育関連特性,臨床前1~3年目の多肢選択式試験,内科または外科のクラークシップ数は,4-HCSスコアと有意な関連はなかった。
結論
医療相談シミュレーション演習と医学生の対人関係スキルの標準化評価を通して、対人関係スキルと関連する主な要因は、教育関連特性や病院経験の影響を受けず、性別と国際臨床実習または研究室クラークシップへの参加であることが示された。この結果から、非技術的スキルの評価におけるシミュレーション演習の重要性が示された。実際、多肢選択式試験は対人関係スキルのレベルを予測することはできず、病院医療クラークシップは対人関係スキルを向上させないようである。特に医学生における共感能力の低下について研究することは興味深いことである。初期研修の大きな課題は、この低下を回避することであろう。我々が企画したようなシミュレーション演習は、学生にこれらのスキルの重要性を認識させ、避けられない衰退を抑えることができると思われる。