医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

EPAフレームワークを用いた医学生のビッグファイブ性格特性とクラークシップ最終学年における職場パフォーマンス

Big five personality traits of medical students and workplace performance in the final clerkship year using an EPA framework

Harm Peters, Amelie Garbe, Simon M. Breil, Sebastian Oberst, Susanne Selch & Ylva Holzhausen 

BMC Medical Education volume 24, Article number: 453 (2024) 

bmcmededuc.biomedcentral.com

背景
臨床指導医が専門的な業務や指導レベルの割り当てを決定する際、研修生の資質が重要な役割を果たす。最近の質的研究により、知識や技能に加えて、多くの性格特性が職場に関連することが示されているが、これらの特性の関連性については実証的に調査されていない。本研究の目的は、EPA(Entrustable Professional Activity)フレームワークを用いて、医学部最終学年の学生の職場でのパフォーマンスを、性格特性との関連で分析することである。

方法
クラークシップ最終学年末の医学生を対象に、オンライン調査に基づく横断的実地調査を実施した。調査においては、経験豊富な監督者のレベルと、定義された12の卒後研修EPAからなる枠組みを用いて、職場でのパフォーマンスを把握した。参加した医学生のビッグファイブ性格特性(外向性、同意性、良心性、神経質性、開放性)は、7段階リッカート尺度で評価される15項目からなるビッグファイブインベントリ-SOEP(BFI-S)を用いて測定された。データは記述統計と推測統計を用いて分析した。

調査結果
対象は医学部最終学年生880名(平均年齢27.2歳、SD=3.0、65%女性)。最終学年クラークシップ学生がEPAを実施する際の監督レベルにはかなりのばらつきがあった。外向性、同意性、良心性、開放性の各次元との相関は正であり、神経症の次元との相関は負であった(r = 0.17からr = - 0.23の範囲)。重回帰分析によると、ビッグファイブの性格特性の組み合わせは、個々のEPAにおける監督レベルの分散の0.8~7.5%を占めていた。

考察

性格特性の重要性: 特に神経症傾向が高い学生がより多くの監督を必要とするという結果は、医学生の訓練や教育プログラムにおいて、学生の感情的安定性をサポートする方法についての重要な示唆を与えています。

教育的意義: 誠実性や外向性などの特定の性格特性が高い学生がより自立して職務を遂行できることから、これらの特性を育む教育的介入が有効かもしれません。

未来の研究への示唆: 性格特性が実際の委託決定にどのように影響するかを更に詳しく調べること、さまざまな文化や医療システムでの研究を行うこと、そして、教育者自身の性格特性が訓練生への影響を調査することが提案されています。

結論
BFI-Sを用いて、一連の卒後医学研修EPAに関するスーパービジョンのレベルは、医学部最終学年の学生の性格特性と関連していることがわかった。本研究の結果は、委託の意思決定における良心性と外向性の役割に関する既存の研究群を確認するものであり、特に、神経質性という性格特性を、新たに考慮すべき研修生の資質として追加するものである。