医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

医学教育研究におけるコンセンサス・グループ手法。Nominal Group Technique (NGT)

Consensus Group Methodology in Health Professions Education Research: The Nominal Group Technique

Christopher Tran, MD, MMEd, lecturer, Department of Medicine, Timothy J. Wood, PhD, professor, Department of Innovation in Medical Education, and Susan Humphrey-Murto, MD, MEd, associate professor, Department of Medicine and Department of Innovation in Medical Education, University of Ottawa

journals.lww.com

 

ノミナル・グループ・テクニック(NGT)の定義
・NGTは、教育分野においてコンセンサスが得られていないテーマ(カリキュラム開発、評価、プログラム評価など)について、アイデアを出し、専門家の意見を統合し、意思決定を強化するために用いられるコンセンサスグループ手法です。

・NGTは、5人から12人の参加者で構成される高度に構造化された対面式の会議である。

・ NGTの所要時間は、プロジェクトの複雑さにもよりますが、1~5時間程度です。

 

NGTの計画

・研究目的とリサーチクエスチョンを明確に述べる。

・結果の信頼性と目的を確立するために、研究テーマについて深い知識を持つ専門家を採用する。

・偏りを最小限にするために、項目作成後に文献レビュー(任意だが推奨)を発表する。

・各参加者が平等に意見を述べることができるように司会者を決め、議事録を作成するためのアシスタントを選び、結果を確認し、まとめる。

 

NGTのポイント

1. 静かなアイデア出し
NGTの手順を説明した後、司会者が参加者に質問を投げかけ、参加者は15分間の沈黙の中で、自分自身でアイテム(=アイデア)を生み出す。

2. ラウンドロビン
司会者が参加者に順番に1項目ずつ質問し、項目がなくなるまで質問を続ける。
アシスタントは、参加者が見られるように項目を書き写す。

3. 議論と確認
すべての項目が書き込まれたら、司会者が文献レビューをグループに提示し、参加者は追加項目を決めることができる。
その後、司会者が中心となって各項目を見直し、明確にしていく。適切と思われる場合は、項目を組み合わせたり、削除したりすることができる。

4. 個人的な評価と必要に応じた反復的な再評価
アシスタントが参加者のために評価シートを用意し、参加者は10分以内に個人的に項目の優先順位付けを行う。(9段階:9:最高評価、1:最低評価)

各項目の結果(平均点と投票分布)を共有する。合意の基準は様々ですが、以下の場合は項目を残すことを推奨します。
- 70%以上の参加者が7-9と評価し、かつ
- 2人未満の評価者が1~3の間のランクを付けた場合。

このプロセスは、以下の条件が満たされるまで繰り返される。
- ラウンド間で投票に大きな変化がないこと。
- 妥当な数のアイテムに到達する、または
- 参加者の疲労が生じる。