Do you hear what you see? Utilizing phonocardiography to enhance proficiency in cardiac auscultation
Bjorn Watsjold, Jonathan Ilgen, Sandra Monteiro, Matthew Sibbald, Zachary D. Goldberger, W. Reid Thompson & Geoff Norman
Perspectives on Medical Education (2021)Cite this article
心臓聴診技術の訓練と維持は困難であることが証明されている。筆者らは、心音図を音声症例に視覚的に付加することで、医学生1年生の心聴診能力が向上するかどうかを検討した。
方法
135名の医学生1年生を対象に、音声のみの症例(音声群)と心音図トレーシングを用いた音声(複合群)を用いたトレーニングを行うよう無作為に割り付けた。トレーニングの対象としたのは、聴診所見が正常と異常の7症例。評価には、トレーニング中に提示された7例の音声のみの14例と、同一診断の7例の代替版を用いた特徴同定と診断精度が含まれていた。評価は、トレーニング直後に実施し、7日後に繰り返し実施し、参加者に14例の音声のみの症例の主要特徴と診断を特定させた。
*診断のための評価ツール
結果
平均主要特徴スコアは、音声群(61%、95%CI 56-66%)と比較して、複合群(70%、95%CI 67-75%)で統計的に有意に高かった。同様に、複合群の平均診断精度(68%、95%CI 62-73%)は、効果の大きさは小さいが、音声群よりも有意に高かった(59%、95%CI 54-65%)(F(1,116)=4.548、p = 0.035、ds = 0.40)。評価のための作業時間と事前の聴診経験は、どちらの尺度でもパフォーマンスに有意な影響を与えなかった。
考察
心音図を併用した条件に割り付けられた学生は、主要な特徴と診断の両方についてより高い精度を示した。特徴識別は、参加者が正常な心音または余分な心音を提示された場合には、診断精度と中程度から強い相関があったが、特徴と雑音との相関は弱いものであった。心臓聴診トレーニングを補完するために心音図を追加することで、音声のみのトレーニングに比べて、初心者の診断精度と心臓音の特徴同定が向上した。
心臓聴診トレーニングを補足するために心音図を追加すると、かなり時間をかけたトレーニング介入の後、初心者の学生の聴診パフォーマンスが改善された。我々の結果は、学生がトレーニングの初期段階でマルチモダリティの練習を行うことが有益であることを示唆している。これらのトレーニング介入をより洗練させ、検討することは、心臓聴診の習熟度をさらに高めるのに役立ち、臨床トレーニングにおいて聴覚と視覚のモダリティを最適化する方法をよりよく理解するための手段となるであろう。