医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

医学生が患者のプレゼンを行うときに気をつけるべきこと

What Skills Do Clinical Evaluators Value Most In Oral Case Presentations?
Ian Lancaster & Marc D. Basson 
Teaching and Learning in Medicine, DOI: 10.1080/10401334.2018.1512861

 

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/10401334.2018.1512861?af=R

 

教育現場で医学生や研修医は、患者のプレゼンテーションで評価されています。したがって、私たちは医学生に口頭でのプレゼンテーション(OCP)を行う方法を教えることに重点を置いていますが、これらの複雑なタスクのさまざまな側面が全体的な評価に寄与する相対的な重みはあまり理解されていません。

*RIMEモデルでいうreporterとinterpreterの境界が学生にとっては理解しにくい。事実が患者にとってどの情報が「関連」があるのか、また評価項目が多岐にわたると、どの点を重視されているのかわからなくなってしまう。

アプローチ:我々は、臨床教育者が学生のOCPを評価するツール(PPR:Patient Presentation Rating)と、医学生がOCPが評価されることを期待する方法を対比しようとした。医学生のOCPの個々の構成要素が、患者提示評価ツールを使用して、学生のパフォーマンスの評価にどのように影響するかを評価した。医学生は、彼らのOCPがどのように評価されるべきかを決定するために調査された。

結果:学生の全体的なプレゼン構成と患者の状況とバイタルサインの説明の教員評価は、OCP全体の評価と強く関連していた。学生は、患者の状況、主訴、現病歴を述べることを、重視されるが、プレゼン構成やバイタルサインは重要ではないと考えていた。

学生と教員は、OCPにおいて重要な点について異なる。カリキュラムとフィードバックを意図的に再設計することによって、これらの認識を整合させることは、学生への臨床的コミュニケーションの指導を容易にするかもしれない。

 

*PPR Patient Presentation Ratingは17の項目からなる評価

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/10401334.2012.741537?scroll=top&needAccess=true

主訴・現病歴の導入・現病歴時系列・他に主訴に関係する病歴・身体所見現症・焦点をあてた身体所見・バイタルサイン・検査所見・まとめ・プロブレムリスト・鑑別診断・診断と治療プラン・関連情報・患者の状況・全体的な構成・話し方・質疑応答

 

PPRは便利なツールではあるが17項目と多岐に分かれているので、焦点がわかりにくいかも。RIMEモデルのreporterとinterpreterを念頭に学習者に教示する必要がある。