医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

屋根瓦式教育(near‐peer teaching)の利点・欠点。またその研究知見と実践。

Organising near‐peer teaching programmes for clinical professionals.

Cumberworth, J. , Apperley, H. and Francis, I. (2018),

Clin Teach. doi:10.1111/tct.12983

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/tct.12983

 

・near‐peer teachingとは

 少なくとも1年以上上の学年からの教授

 他の学習者によって教える学習

 専門的な教育者ではなく、教えることによって互いに学び合うことを形成している集団

 

・長所

 教えるときにその場に後輩医師がいる環境は実際有利である

 複雑で含みのある事例において、有効だと個人的に考えている戦略・方法を後輩に伝えることは新鮮にうつる。

 教育者・学習者の間の認知的・社会的な調和がリラックスした環境を生み出す。

 教育者が自分の知識をリフレッシュでき、最新の知識を取り入れることを推奨できる。

 今後の教育者養成にあたり教育の機会が与えられる。

 

・短所

 教育者の教育経験が不十分。

 学習者への明確な教育効果が必要

 →質の保持のためにトレーニングが必要。

 

研究知見

 ・理論的・臨床的スキルの向上。

 ・教授スキルの向上

 ・学習者・教育者の自信の向上

 ・学習者のプロフェッショナリズム・学問的知見への利点

 ・教育者のコミュニケーションスキル、社会的スキルへの利点

 ・教育者への教育コースは教育者の質を高め、上級医への感謝を生じる

 ・将来の医学部のカリキュラムに重要である

 ・ロールモデルの確立

 

経験から勧められること

 ・会場の準備

  適切な広さ・ホワイトボードの準備など

 ・適切な宣伝

  SNSの活用など

 ・教育者役の募集

  熱心な人を確保する

 ・学習成果を早期に明らかにする

 ・適切な教材を開発する

  ビデオや、ポッドキャストも有用

 ・この教育環境を支える指導医

 ・終了時にフィードバックをもらい、改善する。

 ・反復して継続する。