Mastery or Compliance? Themes of Australian Medical Student Engagement during Peer Mini-CEXs
Timothy J. MartinORCID Icon,Wonie UahwatanasakulORCID Icon &Anna T. RyanORCID Icon
Received 24 Jan 2025, Accepted 11 Aug 2025, Published online: 19 Sep 2025
Cite this article https://doi.org/10.1080/10401334.2025.2556695
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/10401334.2025.2556695?af=R#abstract

Mini-CEXとは
- 従来のMini-CEX: 学生が臨床現場で病歴聴取や身体診察を行い、臨床医や教員が評価・フィードバックを提供する一般的な職場ベース評価
- ピア評価Mini-CEX: メルボルン大学で実施されている革新的な形式で、評価者が医師ではなく医学生の同僚である点が特徴
研究の必要性
- ピアフィードバックに関する研究の多くは、小グループチュートリアルやOSCE(客観的臨床能力試験)などの臨床前環境で実施
- 職場ベース評価におけるピアフィードバックの双方向的効果を調査した研究はほとんど存在しない
- 唯一の先行研究(Bennett et al.)は質問票による調査で、深い分析には至っていなかった
研究方法
- 対象: 医学部3年生と4年生14名
- 期間: 2023年8月〜10月
- 方法: 半構造化インタビューによる質的研究
- 理論的枠組み: 社会構成主義理論
主な発見
1. 2つの学習アプローチ
習熟アプローチ(Mastery Approach)
- フィードバック能力の向上: フィードバックの授受に関するスキルが向上
- 意図的な観察と内省: 他の学生を評価することで、自身の臨床スキルも向上
- 専門的コミュニケーションスキルの発達: 同僚との専門的な対話能力が向上
形式的アプローチ(Compliance Approach)
- 学習効果が限定的または望ましくない
- 単なる「やるべきこと」として扱われる
- ピアフィードバックには専門知識の不足があるという認識
2. 社会的環境の影響
第3のテーマとして、社会的環境(Social Milieu)が重要な役割を果たしていました:
- 友人関係や信頼関係が、フィードバックの質と誠実さに影響
- 文化的な期待が、取り組み方(習熟 vs 形式的)を左右
- 評価が人間関係に悪影響を及ぼすことへの懸念
学生が感じたメリット
- 医療キャリアにおけるフィードバックの重要性への気づき
- 臨床推論や医学知識の向上
- より対話的で双方向的なフィードバック
- 専門職としてのコミュニケーション能力の発達
学生が感じた課題・デメリット
- 医学知識が不十分で適切なフィードバックができない
- フィードバックスキルの不足
- 時間的制約と他の評価との競合
- 試験対策に偏り、実際の臨床実践に焦点が当たらない
- 一般的・肯定的すぎるフィードバックになりがち
実践的な示唆
- 評価基準を簡素化し、より省察的なフィードバックを促進
- 課題説明を変更し、評価者にとっての学習機会も強調
- 必要なピア評価回数を5回から3回に削減
結論
ピアフィードバックを用いたワークプレイスベース評価は、適切に実施されれば医学生にとって価値ある学習ツールとなり得ます。ただし、以下が重要
- 同時期のフィードバック教育とサポート
- 社会的環境への配慮
- 真剣な取り組みを促す文化の醸成
- 継続的なフィードバックリテラシー教育