Exploring motivators and challenges for preceptors to teach in the clinical settings: a survey-based study
Nooran Badeeb, Yara Alsolami, Miad Alhamrani, Fadi Hassanin & Waseem Aalam
BMC Medical Education volume 25, Article number: 229 (2025)
背景
医療系大学における有能な教員の確保は、低い給与と不十分な教員対学生比率によって妨げられている。にもかかわらず、職務満足のような内発的動機付けは教員のモチベーションに重要な役割を果たしている。 本研究の目的は、サウジアラビアの医学教育部門における具体的な動機づけ要因と制約を理解し、対処することである。
調査方法
2023年11月から2024年1月にかけて、サウジアラビアの政府部門および民間部門の医師を対象に、横断的かつ検証済みのオンライン調査を実施した。 参加者は、5(非常に重要)から1(あまり重要でない)までのリッカート尺度を用いて、指導の動機付けと課題をランク付けした。 収集したデータは、記述統計とカイ二乗検定を用いて分析した。
1. 人口統計学的質問(Demographics)
- 年齢
- 性別
- 最高学歴
- 現在の職位
- 職階
- 専門分野
- 勤務地
- 国籍
- 勤務の性質(公的/私的部門)
- 臨床経験年数
- 教育経験年数
2. 教育に対する動機(Motivators)
- 知識と専門性の共有
- 次世代の医師教育への参加機会
- ケアモデルを学生に示す機会
- 他の教育者との交流機会
- 学生の準備状況
- 教員開発研修を受ける機会
- 経済的報酬
- 感謝状
- CME(継続医学教育)単位の取得
- 表彰行事への参加
3. 教育に対する課題(Challenges)
- 臨床業務の負担
- 教育のための時間不足
- 教育のためのサポートとリソースの不足
- 研修生を収容するスペースの制限
- 診療方針と教育活動の衝突
- 患者が学生に診られることへの抵抗
- 研修生の知識とスキルの限界
- 正式な研修プログラムの欠如
- インセンティブの欠如
- 指導者のパフォーマンスに関するフィードバックの欠如
この質問票は、いくつかの検証済みの質問票から適応され、専門家によって妥当性が確認されたものが使用されました。質問はGoogle Formsを通じて配布され、サウジアラビアの保健専門委員会に登録されている約5,000人の医療提供者にソーシャルメディアプラットフォームとメールを通じて無作為に配布されました。
結果
参加者の基本情報
- 62.1%が男性
- 平均年齢:38.2歳(SD=8.9)
- 54.5%がサウジアラビア国籍
- 最も多い教育背景:専門研修修了者(fellowship)40%、専門医資格保持者31%
- 職位:コンサルタント46.2%、専門医26.9%、研修医26.9%
- 学術スタッフの中では助教授が最も多く76.7%
- 眼科学が最も多い専門分野(17.7%)
教育経験
- 68.3%が正式な医学生教育プログラムを持つ施設に勤務
- 57.2%が正式なレジデント研修プログラムを持つ施設に勤務
- 71%が学部生または大学院生の教育活動に従事
- 58.6%が公的部門、25.5%が私的部門で勤務
- 臨床経験:10〜14年の経験を持つ者が31%で最多
- 教育経験:1年未満が29%、1〜4年が24.8%
主な動機
- 知識と専門性の共有(64%が非常に重要と評価)
- 次世代の医師教育への参加機会(63%)
- 学生に対するケアモデルの実演機会
- 他の教育者との交流機会
- 十分な準備ができている学生の存在(45.5%)
- 教員開発研修を受ける機会(43.4%)
最も低く評価された動機
- 授業料・経済的報酬(20%)
- 感謝状
- 継続医学教育(CME)単位
- 年次表彰ランチ/ディナー(9.7%)
主な課題
- 臨床業務の負担(31.3%が非常に重要と評価)
- 時間の不足(28%)
- 教育のためのサポートとリソースの不足
- 研修生を収容するスペースの制限
- 教育が診療方針に反すること
- 患者が学生に診られることを望まないこと
研究結果の意義
- 医学教育者は主に内発的要因(知識共有や次世代育成)によって動機づけられている
- 外発的要因(金銭的報酬や表彰)は相対的に重要度が低い
- 学生の準備状況が最も重要な外部要因として挙げられた
- 時間の制約と臨床業務の負担が教育の主な障壁となっている
- 私的部門で教育を行う医師はより多くの課題に直面していることが示された
結論と提言
- 内発的な動機付けを活用しながら、時間の制約や臨床負担に対処するための組織的支援が必要
- 学生の準備状況を向上させるための病院ベースのオリエンテーションが重要
- リソース配分の改善によって臨床教育の質を高めることができる
- 教育者へのフィードバックシステムの構築も有益である
- 臨床実習の拡大のために、シミュレーションやバーチャルリアリティの活用も検討すべき