How to Approach Qualitative Observational Research in Workplace Learning
Christy Noble, Rola Ajjawi, Stephen Billett, Mark Goldszmidt
First published: 21 January 2025 https://doi.org/10.1111/tct.70005
https://asmepublications.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/tct.70005?af=R
背景
臨床現場での学習は、日常的な活動や相互作用を通して行われる。 しかし、臨床現場は複雑でダイナミックな環境であり、インタビューやフォーカスグループなどのデータ収集手法だけでは、その複雑性を把握できない場合がある。 質的観察研究は、このような複雑な状況を理解し、臨床現場での学習効果を高めるためのアプローチを提供する。
目的
本稿の目的は、読者が職場学習において質的観察研究を実施することを支援することである。
Methods
質的観察研究の概要を説明し、職場学習の調査との関連性を強調する。 関心のある現象、研究者と参加者の役割、倫理的配慮、そしてデータ収集のアプローチである。 観察研究の応用と成果を示すために、医療専門職の教育研究の例を示す。
結果
質的観察研究により、実世界の臨床活動や相互作用をニュアンス豊かに理解することができ、他の方法では見逃されがちな学習の要素を捉えることができる。 臨床家と研究者の双方が実践を評価し、改善するための豊富な証拠基盤を提供する。
質的観察研究の主要な要素
- 関心のある現象の特定
- 観察の対象となる具体的な事象や活動を明確に定める
- 職場学習の文脈では:
- 特定の時間や場面での活動(例:朝のハンドオーバー)
- 専門職間の相互作用(例:薬剤師が研修医に処方指導を行う場面)
- 物理的環境や道具の使用(例:電子カルテ、医療機器の使用)
- 空間における人々の位置関係(例:ベッドサイド教育での立ち位置)
- 研究者と参加者の役割
- 研究者の立場:
- 非参加型観察者:活動に介入せず観察のみを行う
- 参加型観察者:活動に参加しながら観察を行う
- 参加者の役割:
- 倫理的配慮
- 継続的な同意プロセスの確保:
- 事前の包括的な同意取得
- 観察中の継続的な確認
- 参加者の快適さと準備状態の確認
- 偶発的に記録された人々への対応:
- 同意取得または記録からの削除
- 倫理アドバイザーとの早期相談
- 地域のガイドラインの遵守
- データ収集アプローチ
- 主要な収集方法:
- フィールドノート(構造化/非構造化)
- 音声/映像記録
- 資料の収集(教材など)
- 写真や図面(空間や物の配置)
- 概念マップ
- 補足的なデータ収集:
- 簡単なフィールドインタビュー
- 参加者の解釈や観察の記録
実施における重要な考慮事項
- 焦点を絞った観察:
- 明確な観察目的の設定
- データの過負荷を防ぐ
- 研究者の省察的姿勢:
- 自身の存在が観察に与える影響の認識
- 解釈の主観性への意識
- 系統的なアプローチ:
- 日常的な「気づき」を超えた体系的な観察
- 参加者が意識していない側面への注目
この研究例は、観察研究が、学習と臨床実践の両方に影響を及ぼす体系的な問題をいかに特定できるかを示している。
結論
質的観察研究は、臨床実践と職場学習の複雑さを理解するための重要なアプローチである。 ここでは、職場学習における質的観察研究の設計と実施に関するいくつかの重要な考慮事項を共有する。