Transforming medical students’ speaking-up behaviors in medical errors: The impact of simulation and personalized debriefing
Hung-Wei Tsai,S. Barry Issenberg,Yi-Chun Chen,Enoch Yi-No Kang,Hui-Wen Chen &Jen-Chieh WuORCID Icon
Received 03 Jun 2024, Accepted 05 Aug 2024, Published online: 16 Aug 2024
Cite this article https://doi.org/10.1080/0142159X.2024.2390039
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/0142159X.2024.2390039?af=R#abstract

序論
メンタルモデルを共有することは、高いパフォーマンスを発揮するチームにとって不可欠であり、特に医療過誤の際には、重要な洞察を交換するために発言することが鍵となる。 医療従事者や研修生がどのように懸念を口にするのかを理解することは、発言行動を改善する上で極めて重要である。 本研究は、医学生が医療ミスに遭遇した際にどのように発言しているかを調べ、彼らの発言パターンに対するトレーニングの影響を評価することで、文献のギャップを埋めることを目的としている。
方法
146名の学生を2つのグループに分け、北台湾で準実験的研究を行った。 一方のグループの学生は、介入前に生命を脅かすシナリオに遭遇し、その後、教員主導の個人別デブリーフィングセッションを受け、介入後に生命を脅かさないシナリオに遭遇した。 別のグループの学生は、これらのセッションを逆の順序で受けた。
結果
グループ1:
シナリオの順序: 最初に生命に危険がないシナリオを体験し、その後、個別の振り返りセッションを受けました。その後、生命に危険があるシナリオを体験しました。
発言行動の変化: 介入前のシナリオでは、生命に危険がある状況での発言率は28.0%でしたが、介入後には78.7%に増加しました。また、発言スタイルとして直接的な表現を使用する学生の割合も、介入前の41.4%から介入後には81.4%に増加しました。
グループ2:
シナリオの順序: 最初に生命に危険があるシナリオを体験し、その後、個別の振り返りセッションを受けました。その後、生命に危険がないシナリオを体験しました。
発言行動の変化: 介入前のシナリオでは、生命に危険がない状況での発言率は38.7%でしたが、介入後には95.9%に増加しました。また、発言スタイルとして直接的な表現を使用する学生の割合も、介入前の50.0%から介入後には81.4%に増加しました。
主な違い
シナリオの順序: グループ1は生命に危険がないシナリオから始め、グループ2は生命に危険があるシナリオから始めました。
発言率とスタイルの変化: どちらのグループでも、介入後には発言率や発言スタイルに有意な改善が見られましたが、グループ1では生命に危険がない状況での発言率の改善がより顕著でした。
全体としての結果
発言率の向上:介入前には医療エラーに対して発言した学生は全体の43.8%でしたが、介入後には96.6%に増加しました。
発言パターンの変化:介入後、直接的な表現を使用する学生が大幅に増加しました(34.4%から80%へ)。また、肯定的な表現を使用する学生の割合も21.4%から68.3%に増加しました。
態度の改善:攻撃的な言葉を使用する学生の割合が11.7%から6.9%に減少し、非攻撃的な言葉を使用する学生の割合が32.4%から89.7%に増加しました。
自信の向上:医療エラーに対する発言に自信を持つ学生のスコアが、介入前の平均24.16から介入後の27.16に向上しました。
考察
シミュレーションと個別の振り返りを組み合わせたトレーニングは、医学生の発言行動に有意な改善をもたらしました。具体的には、直接的で肯定的な表現を用い、攻撃的でない言葉遣いが増加しました。
シミュレーションシナリオにおける学習は、医学生に対して医療エラーに対する発言行動を効果的に育成する手段となる可能性があります。また、発言の自信の向上も確認されました。
教育者は、医学生に対し、発言行動のさまざまなアプローチの利点と欠点を議論し、効果的な発言行動を多様な医療状況で発揮できるよう支援することが重要です。
将来的には、特に発言に困難を感じる学生を特定し、個別のサポートを提供することが求められます。