医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

公平な学業課外活動を展開するための12のヒント

Twelve tips for developing equitable academic extracurricular activities
Maha ArifORCID Icon,Sarah Hutton,Jasleen Sanghera,Caitlyn Scott,Callum Cruickshank &Jeni Harden
Received 26 Aug 2024, Accepted 03 Dec 2024, Published online: 15 Dec 2024
Cite this article https://doi.org/10.1080/0142159X.2024.2438788

 

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/0142159X.2024.2438788?af=R#abstract

 

医学生は、研究プロジェクト、ピアティーチング、カリキュラム開発プロジェクトなどの学術的活動を含め、さまざまな課外活動(ECA)に取り組むことが多い。 学術的なECAには、社会的スキルやリー ダーシップスキルの向上、留年率の上昇、自信の高ま り、仲間との絆、満足度の向上、大学院での成功な ど、さまざまな利点があることが研究で報告さ れている。 しかし、すべての学生が等しくこのような機会を活用できるわけではない。 本稿では、公平なアカデミックECAを開発するための12のヒントを提示する。 提示されたアドバイスを考慮することで、教員は関心のある学生すべてに開かれたECAを実施することができるはずである。

 

 

  1. 早期段階からの学生の参加
  • 「参加のはしご」というメタファーを使用:レビュー、相談、計画参加、実施責任、パートナーシップ、学生主導の6段階
  • 例:Widening Participation(機会拡大)のためのメンタリングプログラムでは、対象となる学生グループからフィードバックを得る
  • プログラムの設計段階から学生と対話を始めることで、より効果的なプログラム開発が可能
  • コミュニティグループなど、他のステークホルダーの参加も考慮
  1. 目的の明確化
  • 明確な目標設定が方向性を示す重要なツール
  • 学生の主な動機:
    • 雇用可能性の向上
    • スキル開発
    • 将来のキャリアへの準備
  • 柔軟性を保持し、学生のニーズに応じて目的を調整する必要性
  • 例:文献レビューから始めて、データ分析スキルの開発まで拡大
  1. ターゲットグループの特定
  • 学年、特定のスキル、興味などの参加基準の設定
  • 意図せぬ排除を避けるための慎重な基準設定
  • 特定の代表性の低いグループ(介護者や第一世代の大学生など)向けのECAの検討
  • 機会へのアクセスの明確化と透明性の確保
  1. 必要なスキルと経験の決定
  • 転用可能なスキルの重視:
    • 時間管理能力
    • チームワーク
    • 問題解決能力
  • 特定のスキルと一般的なスキルのバランス
  • 「必須基準」と「望ましい基準」の区別
  • スキル開発の機会としてのECAの位置づけ
  1. 公平な選考プロセスの開発
  • 選考プロセスの透明性確保:
    • 誰が応募を確認するか
    • 評価基準は何か
    • インタビューは必要か
    • 不合格者へのフィードバック方法
  • 代表性の低いグループへの配慮
  • 応募支援の提供
  1. 学生への報酬支払い
  • 無給の機会が生む不平等への認識
  • 機関の方針に基づく適切な報酬設定
  • 学生の貢献を「仕事」として認識することの重要性
  • 報酬が唯一の動機付けではないことの理解
  1. 効果的な広報と情報提供
  • 集中化されたプラットフォームの活用
  • 必要な情報の明確な提供:
    • 目的と期待される成果
    • 時間的コミットメント
    • 必要なスキル/経験
    • 報酬の詳細
  • 代表性の低いグループへのアウトリーチ
  1. 役割と期待の明確化
  • 開始時の期待値の設定
  • 継続的な対話の重要性
  • SMART学習目標の設定
  • 定期的な見直しと調整
  1. レーニングとサポートの提供
  • 初期トレーニングの提供
  • 定期的なミーティング
  • メンタリングスキームの活用:
    • 適切なメンター選定
    • ニーズと目標に基づくマッチング
    • 定期的なフィードバック
  1. 適切な報告手続きの確保
  • 明確な報告経路の確立
  • 既存の学校の手続きとの統合
  • 独立した報告窓口の必要性
  • 学生への手続きの明確な説明
  1. 学生の貢献の認知
  • 様々な認知方法:
    • 参加証明書
    • 成果発表イベント
    • ニュースレターでの紹介
    • 論文の共著者としての認知
  • 学校全体でのガイドライン策定
  • すべての学生の貢献を公平に認知
  1. 経験の評価
  • Kirkpatrickの評価モデルの活用:
    • 反応:学生のECAへの反応
    • 学習:学習成果の確認
    • 行動:他の文脈での行動変化
    • 結果:より広い影響
  • 短期・長期の評価の組み合わせ
  • 評価結果の活用による継続的改善