Lived experiences of medical students of online learning: lessons for adopting virtual learning in medical education
Eshwar Rajesh, Sudharshini Subramaniam, Priya Pasupathy, Tharini Suresh & Vijayaprasad Gopichandran
BMC Medical Education volume 24, Article number: 982 (2024)
目的
インドのチェンナイにある医科大学に通う様々な学年の医学生の生活体験を調査する。
方法
この生活体験の質的調査では、医科大学の4学年の学生を対象に、チェックリストを用いて4回のフォーカス・グループ・ディスカッションを行った。
結果:
- ロックダウンの経験:
- 学生たちは不確実性とストレスを強く感じました。
- ジェンダーによる影響の違いが顕著でした:
- 女子学生は家事の負担が増え、オンライン授業への参加に支障をきたしました。
- 男子学生は過度のテレビ視聴やゲームプレイ、不健康な生活習慣を報告しました。
- オンライン学習の課題:
- 技術的問題:インターネット接続の不安定さ、プラットフォームの不具合
- 教員の準備不足:特に年配の教員がオンライン技術に適応するのに苦労
- 臨床実習の機会喪失:患者との直接的な接触がなく、重要なスキル習得に影響
- 架空の症例使用:実際の患者を見る機会がないため、架空の症例を使用せざるを得なかった
- 学習環境の変化:教員や先輩との交流が減少し、重要な非公式学習の機会が失われた
- オンライン学習の利点:
- 匿名性による参加のしやすさ:通常の対面授業では発言を躊躇する学生も積極的に参加
- 録画講義の利点:自分のペースで学習でき、必要に応じて繰り返し視聴可能
- 他機関の講義へのアクセス:国内外の専門家の講義を受講する機会が増加
- 適応戦略:
考察:
- ジェンダーの影響:
- ロックダウンにより、既存のジェンダー不平等が強調されました。これは医学教育における重要な課題として認識されるべきです。
- 世代間のデジタル格差:
- 臨床学習の損失:
- オンライン学習では、実際の患者との接触や臨床環境での学習が著しく制限されました。これは医学教育の質に重大な影響を与える可能性があります。
- 架空症例の使用:
- 一部の学生はこれを有用と感じましたが、実際の患者との接触に代わるものではありません。シミュレーション学習の有効性は認められていますが、架空症例の効果については更なる研究が必要です。
- オンライン学習の利点:
- 匿名性による参加の増加や、柔軟な学習スケジュールなど、オンライン学習にはいくつかの利点も見られました。これらの利点を今後の医学教育にどう取り入れるかが課題となります。
- 今後の医学教育への示唆:
- オンライン講義と対面での臨床実習をバランスよく組み合わせることが重要です。
- 技術的な問題を解決し、教員のデジタルスキル向上を図る必要があります。
- ジェンダーの影響を考慮し、全ての学生に平等な学習機会を提供する方策を検討すべきです。
結論
オンライン学習にはいくつかの利点があるが、臨床学習体験の提供には重大な限界がある。 日常的な医学教育へのオンライン学習の導入を計画する際には、概念理解のためのオンライン講義やデモンストレーションに加えて、実際の臨床に触れる時間を十分に確保しなければならない。