Feedback practices in undergraduate clinical teaching in Sri Lanka - a qualitative study
Sivapalan Sanchayan, Asela Olupeliyawa & Madawa Chandratilake
BMC Medical Education volume 24, Article number: 559 (2024)
背景
フィードバックは医学教育に不可欠であり、学生の知識、技能、態度を向上させる。フィードバックの実践は、一般的な文化的・文脈的要因によって異なる場合がある。本研究は、スリランカの医学生の臨床教育において、フィードバックがどのように概念化され、実践されているかを探ることを目的とした。
方法
本研究は、スリランカの文化的多様性を代表する3つの医学部と関連病院で実施された。研究に豊富な情報を提供してくれそうな臨床教員と学生をリクルートするために、選択的サンプリングを利用した。研究は、観察研究、臨床教師とのインタビュー、臨床学生とのフォーカス・グループ・ディスカッションの3つの要素から構成された。観察研究では、実際の臨床教育/学習現場でのフィードバックを観察するためのデータ収集ツールとしてビデオ撮影が用いられた。分析には構成主義的グラウンデッド・セオリー・アプローチを採用し、現在の実践と認識を帰納的に探った。
結果
フィードバックは、学生の改善のための自発的な一方向の情報提供として概念化された。フィードバックは多くの場合、公共の場や学生グループ内で行われた。エラーの訂正がフィードバックの主な焦点であったが、教師も学生も強化や振り返りといったバランスの取れたアプローチを望んでいた。修正フィードバックへの直接的なアプローチは学生の学習にとって有益であることがわかったが、参加者は厳しいフィードバックは避けるべきだという点で意見が一致した。カリキュラムにおける階層的な文化とプログラム化されたフィードバックの欠如が、フィードバックの実践に影響を与えており、修正の必要性が示唆された。
考察
文化的および文脈的要因: スリランカの階層的な文化がフィードバックの実践に影響を与えており、プログラム化されたフィードバックの欠如も指摘された。
バランスの重要性: 教師と学生の両方が強化と修正のバランスが取れたフィードバックを望んでいるが、実際にはエラー修正が中心となっている。
ダイアログと内省の促進: より良いフィードバックプロセスのためには、対話と内省を促進することが重要であると結論づけられた。
結論
本研究は、臨床現場における上下関係のギャップに対処すること、強化と修正のバランスをとること、フィードバックのプロセスにおいて対話と内省を促進することの必要性を強調し、現地の状況におけるフィードバックの実践を浮き彫りにした。この研究結果は、グローバル・サウスとグローバル・ノース双方の臨床教師が、フィードバックを行う際の文化的・文脈的な違いを認識するのに役立つであろう。