医学教育つれづれ

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「7月効果」:2年目研修医の感情とオリエンテーション・リトリートの影響を評価する

The ‘July Effect’ in supervisory residents: assessing the emotions of rising internal medicine PGY2 residents and the impact of an orientation retreat
Garth W. StrohbehnORCID Icon, Kathryn Levy, Phoebe A. TsaoORCID Icon, Daniel T Cronin, Lauren A. Heidemann & John Del Valle
Article: 1728168 | Received 25 Feb 2019, Accepted 30 Jan 2020, Published online: 09 Mar 2020
Download citation https://doi.org/10.1080/10872981.2020.1728168

 

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/10872981.2020.1728168?af=R

 

背景

新しい研修医は、研修医プログラムと研修医に課題をもたらす。毎年の研修医の入れ替わりに伴う患者ケアへの悪影響(俗に「7月効果」と呼ばれている)の存在については、議論が続いている。多くの研修医プログラムでは、監督する研修医の新しい役割への移行を支援するためにオリエンテーションを実施しているが、研修医の情緒的な幸福感への影響についての評価は行われていない。

 

目的

本研究では、半日のオリエンテーション・リトリートが、新任の内科卒後(PGY)2年目の研修医のPGY2年目への感情と、指導医としての役割を果たすことへの自信に与える影響を評価した。

 

調査方法

2017年5月のオリエンテーション・リトリートの直前と直後に、新任の指導医クラスに調査を実施した。調査では、参加者にPGY2年への感情を記述するための自由形式のプロンプトと、監督研修医の役割を果たすことへの自信を評価するための5ポイントのリッカート尺度を提供した。差異は、それぞれMcNemarの正確検定およびWilcoxonの符号付き順位検定を用いて評価した。

 

結果

対象者50人中44人(88%)が介入前と介入後のリッカート尺度を記入し、対象者50人中40人(80%)が対応する感情のセクションを記入した。開始前に最も多かった感情は、不安(n=33、82.5%)と興奮(n=32、80.0%)であった。インターンシップ後、参加者の恐怖心は減少した(45.0% vs 12.0%;p < 0.001)。

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参加者は、インターンシップがPGY2年目に備えて準備してくれたとの確信と、トリアージとアドミッションの原則を理解していると報告した(賛成または強く賛成、それぞれ65.9%から84.0%、25.0%から68.2%;両方ともWilcoxonの符号付き順位による改善でp < 0.005)。

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結論

オリエンテーション・リトリートは、恐怖心を軽減し、監督的研修医の役割を理解しやすくするための効果的な方法であると考えられる。