医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

患者情報収集における医学生の訓練ニーズの評価

Assessing the training needs of medical students in patient information gathering

Conor Gilligan, Sonja P. Brubacher & Martine B. Powell
BMC Medical Education volume 20, Article number: 61 (2020)

bmcmededuc.biomedcentral.com

 

背景

効果的なコミュニケーションは良い医療行為の中心にありますが、エラー率、患者の苦情、および臨床医の仕事に対する満足度の低さは、医療行為と教育のこの要素の改善の余地を示唆しています。

 

方法

経験豊富な臨床医(n = 19)と医学生(n = 20)に半構造化インタビューを実施し、臨床コミュニケーションスキルの教育と学習に関連する経験を調査し、医療カリキュラムでこれらのスキルに取り組むための改善目標を特定しました。

 

結果

インタビューはテーマ別に分析され、4つの重要なテーマが明らかになりました。

経験の重要性

 学生(n = 9)と経験豊富な臨床医(n = 11)の両方が、スキルを開発する際の経験の価値、特に尋ねるべき質問と探索する領域を知っていることの価値を反映しました。臨床医は、彼らの技術の発展と、何千もの患者の診察で得た広範な経験に自信があると信じていました。

 5人の臨床医と14人の学生は、優れたコミュニケーションスキルの習得における実践の役割を強調し、特に臨床医は「繰り返し」の重要性に言及しています。臨床医は、学習プロセスを、間違いを犯して学習することを含むものとして、また継続的な専門能力開発のプロセスであると考えました。

 

ロールモデルの価値

 3人の臨床医と4人の学生が、効果的なコミュニケーターになるための学習におけるメンターシップの重要性を説明しました。臨床医は、後輩のトレーニングにおけるメンターとしての役割について説明しました。また教育におけるフィードバックの重要性について言及しました。

 

コンサルテーション

 5人の臨床医と9人の学生が、患者からの情報収集を促進できる効果的なコミュニケーションスキルをしっかりと理解することの有用性について議論しました。臨床医は、会話をしてから、優れたコンテンツをカバーするために構造に戻る能力を説明しました。

 

自信

 自信の欠如が重要な要因として浮上しました。学生への信頼を築くための効果的な教育の能力を考えると、それはテーマとしても単独で存在します。建設的なフィードバックと実践の機会は、仕事や学習者の満足度と結び付けられ、最終的に患者の転帰の改善につながる自信を築くことができます。

 

結論

調査結果は、より複雑な状況に移行する前に強力な基盤を確立できる基礎スキルを教えるアプローチをターゲットとする特定の機会により、医学におけるコミュニケーションとコミュニケーションのスキルの向上の必要性を強化します。機会と必要性の2番目の領域は、指導者と教師としての臨床医の関与と訓練であり、両方のグループの調査結果は、指導とフィードバックの準備が不足していることを示しています。医療プログラムはコミュニケーションスキルの教育を改善し、他の分野から学び、適用可能な革新的なアプローチを特定することができます。