医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

教育研究プロジェクト完了のためのロードマップ(5つのP)

A Roadmap (5 Ps) for Completion of an Educational Research Project
Ratan, Bani M. MD, EdD; Rane, Sanika MD; Appelbaum, Nital P. PhD
Author Information
Academic Medicine ():10.1097/ACM.0000000000006131, June 23, 2025. | DOI: 10.1097/ACM.0000000000006131

journals.lww.com


5つのPフレームワーク

1. PREPARE(準備)

  • イデア生成: 会議、議論、教育/学習経験、文献レビューからアイデアを生成
  • 研究質問の作成: 独創性、関連性、厳密性を持つ研究目的/質問を作成
  • 役割分担: 期待値と著者権を早期に議論し、各段階で見直し
  • コミュニケーション: 目標/締切を設定し、好ましいコミュニケーション方法を確立
  • 資金調達: 助成金や部門/機関資金の実現可能性を検討

2. PLAN(計画)

  • 文献レビュー: 司書に相談し、医学以外のデータベース(ビジネス、教育、心理学)も含めて適切に調査
  • 研究デザイン: 研究質問を精緻化し、研究デザインを確定、効果的なデータ収集のためのテンプレート作成
  • 原稿下書き: 序論-方法-結果-考察セクションの概要を作成
  • 戦略立案: 学会抄録応募の時系列計画、投稿候補雑誌の選定

3. PROJECT(実行)

  • モニタリング: 関連文献の継続的な読解(PubMedアラート設定など)
  • 実行: 役割と責任の再確認、IRB遵守の確保
  • コミュニケーション: 明確で頻繁なコミュニケーション、障壁が生じた場合の方法論の転換を検討

4. PRESENT(発表)

  • 発表: 研究/革新の抄録、ワークショップ、パネルの提出
  • 準備: 資料のレビューと模擬発表の実施
  • フィードバック活用: 発表フィードバックを原稿改善と今後の研究指導に活用

5. PUBLISH(出版)

  • 原稿作成: 雑誌の著者ガイドラインに合わせた原稿作成、執筆タスクの委任
  • 改訂: 共著者との内容/編集レビューのための下書き共有、却下に備えた代替計画策定
  • 普及: 原稿受理後のコミュニティ・ネットワークでの出版物共有

重要なポイント

ヒント集:

  • 準備段階で懸念がある場合は、チームでプロジェクトの再評価を検討
  • IRB判定を得るまで研究活動を開始しない
  • 迅速かつ効率的に研究成果を普及
  • プロジェクトが厳密で意味があり、新しい知識に貢献する場合は出版を継続

このフレームワークは、教育研究において構造化されたアプローチが必要でありながら、メンティーを体系的に指導するガイダンスが不足している現状を踏まえ、プロジェクト開発の反復プロセスと基礎知識構築の重要性を強調しています。