医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

医療専門職教育における自己主導型学習の進展:用語とプロセスの明確化

Progression of Self-Directed Learning in Health Professions Education: Clarifying Terms and Processes
Papanagnou, Dimitrios MD; Corliss, Stephanie PhD; Richards, Jeremy B. MD; Artino, Anthony R. Jr PhD; Schwartzstein, Richard MD
Author Information
Academic Medicine 99(2):p 236, February 2024. | DOI: 10.1097/ACM.0000000000005191

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医学知識と臨床実践が複雑化し続ける中、医師と研修中の医師は、学問的目標と臨床成績の向上を追求するために、知識のギャップを特定し、自己主導型学習(SDL)を理解し、取り組むことを学ばなければならない。しかし、SDLの正確な定義や、それが自己調整学習(SRL)や共同調整学習(CRL)とどのように関連するかについては、コンセンサスが得られていない。我々は、医療専門職における自己主導型学習者の進歩を理解するための概念的枠組みを提案し、SRLとCRLの相互作用について述べる。

 

自己調整学習(SRL):学習者が、与えられた状況下で特定の学習課題や目標を達成するために、認知、動機づけ、感情、行動をコントロールするプロセス。SRLのプロセスには、計画、学習と評価調整の3つの段階がある。

共同調整学習(CRL):対人的な相互作用や交流を通じて、学習者と学習環境にいる他者とが共有する学習の調節のことである。

自己主導型学習(SDL):学習者が知識やスキルのギャップを自ら認識し、そのギャップを改善するためにSRL戦略を適用する、学習に対する一般的なアプローチである。

 

完全に自己主導的な学習者になる過程は、二重らせんとして表現されている。一方のらせんは学習者のSRLをサポートする教育者を表し、もう一方のらせんは学習者のSRLプロセスを表している。らせんが回転するたびに、学習者はSRLのサイクルを経て進歩し、完全に自立した学習者に近づいていく。この旅路の中で、教育者や他の学習者は、螺旋のつながりによって表される共同調節という形でサポートを提供する。

このモデルは、SDLを時間の経過とともにらせん状に反復するプロセスとして説明している。学習者は学習活動中に自分自身の進捗状況をモニターし、外部からのフィードバックを受けるため、学習と学習の評価は連動している。学習者は、連続的な調整の後、より高いレベルの学習とパフォーマンスへと進歩する。