Better together: utilizing an interprofessional course and escape room to educate healthcare students about opioid use disorder
Kelsey K. Schmuhl, Steven Nagel, Ross Tamburro, T’Bony M. Jewell, Emily Gilbert, Anthony Gonzalez, Donald L. Sullivan & Jon E. Sprague
BMC Medical Education volume 23, Article number: 917 (2023)
背景
本研究の目的は、革新的な職種間教育活動が医療専門職学生の学習に与える影響を明らかにすることであった。この教育活動は、オピオイド使用障害(OUD)に関する学生の知識と、OUD患者をケアしながら専門職間チームで働くことについての認識を対象とした。
方法
看護学、薬学、医師助手、歯科学、社会福祉学、医学の各課程の学生を募集し、専門職間の教育活動に参加させた。この教育活動には、7つの非同期モジュールとバーチャル同期脱出室が含まれた。教育プログラムに先立ち、参加者は事前アンケートに回答し、専門職間チームで働くことに対する知識や態度、OUD患者に対する認識を評価した。脱出ルームに参加するためには非同期モジュールが必須であり、各モジュールには学生の知識を評価するための事前・事後クイズが含まれていた。
結果
合計402名の学生がコースに参加した。コースに参加する前、学生はSUDに関する豊富な教育経験があると回答しなかった(2.45±0.79)。7つの非同期モジュールを修了した後、学生は知識ベースで有意な改善を示した。知識ベースの改善で最も大きかったのはOUDの治療で、事前の小テストでは65.54±20.21%が正解したのに対し、事後の小テストでは95.97±9.61%であった。エスケープルームへの参加は、OUD患者を管理しながら専門職間のチームで働くことに対する学生の認識を有意に変化させた。評価された11の認識変数のうち、7つが事後調査で有意な増加を示した。また、エスケープルームの後、参加者は患者を他職種の同僚に紹介することに強く同意した。
考察
知識の向上:
ディスカッションでは、教育活動に参加した後、学生のOUD治療に関する知識が著しく向上したことが強調されている。これは、選択した教育方法の有効性を示唆している。
専門職間のチームワーク:
この研究では、専門職間のチームワークに対する学生の態度の前向きな変化が強調されている。このことは、様々な医療分野間の協力が重要であるOUD治療において、特に関連性が高い。
革新的な教育ツール:
非同期モジュールとバーチャル・エスケープ・ルームの使用は、ヘルスケア分野における教育の革新的なアプローチとして議論されている。本研究では、これらのツールが学生を惹きつけ、実践的でシナリオに基づいた学習体験を提供するのに効果的であったことを示唆している。
課題
参加者のかなりの部分が看護学生と薬学生であり、これは代表的な課題であると議論では認識されている。このことは、調査結果が他の医療分野よりもこれらの分野を反映していることを意味する可能性がある。
今後の教育への示唆
本論文では、これらの知見が今後のヘルスケア教育、特にOUDの文脈に与える潜在的な影響について論じている。このような専門職間の双方向的な教育経験は、医療専門家の育成に不可欠であることを示唆している。
限界と考察
考察では、対照群の欠如や特定の専門分野への偏りなど、研究の限界についても触れている。結果を解釈し、将来の研究を計画する際には、これらの要因を考慮すべきである。
医療教育への広範な影響
本研究は、その結果をヘルスケア教育のより広範な文脈に外挿し、同様のアプローチがヘルスケア学習の他の分野においても有益であることを示唆している。
結論
本論考は、OUDに関する知識を向上させ、医療系学生の専門職間協働スキルを高めるために、本研究で用いられた教育アプローチの潜在的な利点を補強することで結ばれる。また、このような利点について、異なる環境やより多様な医療分野でのさらなる研究の必要性を指摘している。