A Qualitative Study of Pediatric Residents’ Experiences at Morning Report
Laura Z. Lockwood et al.
https://doi.org/10.1177/23821205231211467
https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/23821205231211467
目的
モーニングレポートは、研修医プログラムにおける教室での学習活動として広く行われている。しかし、その研修医教育への貢献は不明な点が多い。我々の目的は、モーニングリポートの目的に対する小児科研修医の認識と、学習者として、また研修医の発表者としてのモーニングリポートでの経験を調査することであった。
方法
大規模な学術医療センターの小児科研修医(2016年11月~2017年7月)の半構造化フォーカスグループを用いたグラウンデッド・セオリー・アプローチによる質的研究を行った。反復アプローチを用いてコードを生成し、飽和に達するまでデータを収集しながら、定比較法を用いてデータを分析した。主要なテーマを特定し、意見の相違はコンセンサスによって解決した。
結果
26名の研修医が5つのフォーカスグループに参加した。データ分析の結果、4つのテーマが得られた:「モーニングレポートは多目的である」、「社会化と参加は学習環境に影響を与える」、「感情的不快感の可能性」、「モーニングレポート出席を優先させる障壁」。
・モーニングレポートの多目的性
主な目的は、医学知識の習得と臨床スキルの向上である。
また、社会化、気分転換、プレゼンテーションスキルの向上の機会としても認識されていた。
・社会化と関与の影響:
フェローやアテンディングを含め、より多くの人が参加することが学習環境を高めると考えられた。
双方向のディスカッションへの参加は、教育効果を高める上で極めて重要であると考えられた。
・課題と感情的不快感:
研修医は判断に対するためらいや恐怖を経験し、参加意欲に影響を与えた。
無能であると思われたり、同僚や教授陣から批判されたりすることへの懸念が、ストレスの多い環境を作り出していた。
・参加への障壁
臨床上の責任やスケジュールの都合により、継続的な出席が妨げられることが多かった。
疲労や、時間の経過とともに教育的価値が薄れていくことが、出席意欲を減退させた。
モーニングレポートの主な目的は医学的知識の習得であると研修医は感じていたが、モーニングレポートには社交の機会や回診前の精神的な安らぎを与えるという利点があることも認めていた。研修医は、双方向のディスカッションに参加することで、モーニング・レポートが教育的であると感じたが、学習者レベルが混在するこの形式では、さまざまなニーズに応えることは困難であった。批判されることを恐れて参加をためらう研修医もいれば、トピックの専門家である必要性を感じている研修医もいた。また、多忙なローテーション後の臨床責任や疲労が、モーニング・レポートへの参加を妨げることも多かった。
考察
学習環境の強化:この研究は、より協力的で判断の少ない学習環境を作ることで、参加と学習を促進できることを示唆している。
物流上の障壁への対処:研修プログラムは、出席率と参加率を最大化するために、モーニングレポートのスケジュールと形式を見直す必要があるかもしれない。
より広範な教育への影響:これらの知見は、小児科の研修プログラムだけでなく、他の医療研修の場においても、学習者の学問的ニーズと感情的ニーズの両方に対応する総合的な教育アプローチの必要性を強調し、参考にすることができる。
限界
他の質的研究と同様、得られた知見は文脈特有のものであり、普遍的に適用できるとは限らない。研究のインパクトは、参加者の特定の特徴や環境に左右される。
結論
小児科研修医は、貴重な学習の機会を含め、モーニングリポートの目的を数多く述べていた。自己認識の学習は、参加とつながりの感覚によってプラスの影響を受け、時には感情的な不快感によって困難となることがあった。今後の課題として、参加意欲を高め、安全な学習環境を醸成する最善の方法を探ることができる。