The role of medical schools in UK students’ career intentions: findings from the AIMS study
Tomas Ferreira, Alexander M. Collins, Arthur Handscomb, Dania Al-Hashimi & the AIMS Collaborative
BMC Medical Education volume 24, Article number: 604 (2024)
目的
英国の医学部間における学生の進路意向の違いを調査すること。
調査方法
横断的、混合法のオンライン調査。
設定
一次調査は英国の医学部全44校を対象とし、本分析では42校を対象とした。
参加者
英国の医学生1万486人。
主要評価項目
医学部間の違いに焦点を当てた医学生の進路意向。副次的アウトカムとして、NHSでのキャリアに対する医学生の満足度の医学部による違い。
結果
キャリア意向の違い:
約2.89%の学生が医学を完全に辞める意向を示しており、ケンブリッジ大学の学生が最も高い割合を示しました。
32.35%の学生が医療を海外で実践することを計画しており、特にアルスター大学の学生がその傾向が強いです。これらのうち、UCLの学生は最も戻る意向が少ないです。
35.23%の学生が卒業後2年以内にNHSを離れる意向を示しており、ブライトンとサセックス医学校の学生が最も高い割合を示しました。
NHSに対する満足度:
NHSで働く見込みに満足している学生は全体の17.26%に過ぎません。特にBartsとロンドン、リバプール、キングス・カレッジ・ロンドンの学生は最も不満が高いです。
考察
学校間のキャリア意向の違い:
学校ごとの地理的、文化的背景やカリキュラムの違いが学生のキャリア意向に影響を与えている可能性があります。
例えば、伝統的な医学教育モデルを採用する学校では、臨床実習の少ない初期段階で学生が医療から離れる傾向が見られることがあります。
募集プロセス:
一部の学校は学問的な能力を重視しており、それが臨床医学への関心や適性と必ずしも一致しない場合があります。これが学生のキャリア意向に影響を与えることがあります。
学校の評判:
ケンブリッジ、オックスフォード、インペリアル・カレッジ・ロンドンの学生は、非臨床のキャリアへの興味が高いことがわかりました。これらの学校の高い評価が、学生を非臨床のキャリアに引き付ける要因となっている可能性があります。
人口統計学的影響:
学生の人口統計学的背景もキャリア意向に影響を与える可能性があります。特定のバックグラウンドを持つ学生が特定のキャリアパスを追求する傾向が見られます。
提案と将来の方向性
カリキュラムの改善:
学生の教育経験を向上させるために、カリキュラムの再評価が必要です。高品質の教育が医療への関心とエンゲージメントを高めることが期待されます。
臨床実習の多様化:
学生がさまざまな専門分野や地域での実習を経験できるようにすることで、医療キャリアへの興味を広げることができます。
メンターシップの強化:
キャリアガイダンスとメンターシップを強化することで、学生が医療キャリアに対する現実的な期待を持ち、適切なサポートを受けられるようにすることが重要です。
結論
この研究は、英国の医学部全体における学生のキャリア感情のばらつきを明らかにし、これらの傾向に影響を与える要因に注意を払う必要性を強調している。かなりの割合の学生が卒業後2年以内にNHSを辞めるつもりであり、大学によってかなりのばらつきがある。学生の意向は、カリキュラムの焦点や採用活動を含む様々な要因によって形成されている可能性がある。NHSでのキャリアに対する学生の認識を改善するためには、より広い国家的背景を考慮しつつ、医学部内でこれらの側面を再評価することが不可欠である。今後の研究では、キャリアの満足度と定着率の改善を促進するために、このような格差の根本的な原因を対象とすべきである。