医学教育つれづれ

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学部医学教育におけるクリティカルシンキング育成ツールとしてのコンセプトマッピングの有効性-BEMEによるシステマティックレビュー: BEMEガイドNo.81

The effectiveness of concept mapping as a tool for developing critical thinking in undergraduate medical education – a BEME systematic review: BEME Guide No. 81
Marta FonsecaORCID Icon,Pedro MarvãoORCID Icon,Beatriz OliveiraORCID Icon,Bruno HelenoORCID Icon,Pedro Carreiro-MartinsORCID Icon,Nuno NeuparthORCID Icon & show all
Published online: 19 Nov 2023
Cite this article https://doi.org/10.1080/0142159X.2023.2281248 

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/0142159X.2023.2281248?af=R

DALL·Eによって生成された
 
 

背景
コンセプトマップ(CM)は、関連するアイデア間の階層的なつながりを視覚的に表現する。CMは論理的な整理を促し、考えの関係を明確にすることで、医学生クリティカルシンキング(何をすべきか、何を信じるべきかについて明確かつ合理的に考えること)を助ける可能性がある。しかし、学部医学教育におけるCMの使用については一貫した主張がない。我々の3つの研究課題は、1)学部医学教育におけるコンセプトマッピングについてどのような研究が発表されているか、2)CMが学生のクリティカルシンキングにどのような影響を与えたか、3)これらの介入はどのように、そしてなぜ教育的影響を与えたか、である。

方法
8つのデータベースを系統的に検索した(さらにマニュアル検索と追加検索を実施)。重複エントリーを除外した後、タイトル、抄録、全文を2名の著者が独立にスクリーニングした。研究のデータ抽出と質の評価は、2名の著者が独立して行った。質的データと量的データは混合法を用いて統合した。結果は、STructured apprOach to the Reporting In healthcare education of Evidence Synthesis statementおよびBEMEガイダンスを用いて報告した。

 

結果

Figure 2. Infographic summarizing key findings.

  • 研究の範囲: このレビューには、26のジャーナルからの39の研究が含まれています。これらの研究は、方法論が多様で、実施地域や設定も異なります。
  • コンセプトマップの効果: コンセプトマップ(CM)は、批判的思考の促進に効果的であると示されました。これは、学生および教員からの評価、テストスコア、自己評価などの様々な指標を通じて評価されています。
  • 教育への影響: CMは、教育と学習の方法として、また知識統合のツールとして使用されています。特に、臨床推論を促進するためのツールとしての効果が示されています。
  • 学生と教員の認識: CMに対する学生と教員の認識は一般的に肯定的で、これらのツールが教育プロセスにおいて有用であると考えられています。

限界

この論文では、その限界について明確に概説していないが、研究の選択における潜在的な偏りや、対象とした研究の異質性など、方法論から推測することができる。

応用の可能性
CMは、医学生の批判的思考能力の開発を促進するために、様々な教育環境に適用することができる。
既存の教育方法に組み込んで、学習成果と知識の統合を高めることができる。

結論

CMは、医学生クリティカルシンキングを身につけるのに役立つ教育・学習ツールであると思われる。これは、知識の統合を促進するツールとして、また学習・教育方法としての柔軟性によるものである。CMやクリティカル・シンキングを評価するツールの使用方法には、幅広い文脈、目的、バリエーションがあることから、肯定的な効果が一貫しているという確信が深まった。