医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

卒後のコミュニケーションスキル研修の早期義務化に関する医師の経験:質的研究

Doctors' experiences of earlier mandatory postgraduate communication skills training: a qualitative study
Jane Ege Møller1, Jakob Henriksen2, Charlotte Søjnæs3 and Matilde Nisbeth Brøgger4

1Department of Clinical Medicine, HEALTH, Aarhus University, Denmark
2Department of Clinical Pharmacology, Aarhus University Hospital, Denmark
3Copenhagen Academy for Medical Education and Simulation (CAMES), Centre for Human Resources and Education, The Capital Region of Denmark, Denmark
4Center for Health Communication, School of Communication and Culture, ARTS, Aarhus University, Denmark
Submitted: 05/03/2021; Accepted: 21/02/2022; Published: 28/02/2022
Int J Med Educ. 2022; 13:47-55; doi: 10.5116/ijme.6213.7ee7

 

www.ijme.net

 

目的

本研究では、「医師が以前に受けた義務的な卒後でのコミュニケーションスキル研修について、どのような見解と経験を持っているのか」という疑問について調査した。

方法

本研究は、定性的、探索的なデザインを用いた。異なる臨床的視点を確保するために、最大変動原理に基づく目的別サンプリングを用いた。そこで、本研究の実施前1~9年以内に卒後のコミュニケーションスキルの必須トレーニングを受講した医師12名を対象に、3つのフォーカスグループを形成した。医師は、内科、腫瘍科、総合診療科の3つの専門分野に所属していた。半構造化インタビューガイドを使用し、フォーカスグループはビデオ録画された。データ資料の分析には、テーマ別分析を用いた。反復プロセスを通じて、主要テーマとサブテーマを特定した。

結果

初年度のレジデント必修の卒後コミュニケーションスキル研修は、参加者全員に、現在進行中の臨床業務に役立っているスキルを提供するものであった。また、使用形態、受講時期、体験的手法の経験、仲間との課題共有、継続的なフィードバックとフォローアップの必要性という5つの支配的テーマが観察された。

結論

医師は、受講後数年経過しても、早期の義務的な卒後のコミュニケーションスキル研修を評価し、同様の取り組みを継続的に行うことを要望している。彼らの経験はポジティブであり、適切なタイミングであったこと、そして最初のコースから数年後であっても、学んだスキルを継続的な臨床業務で使用していることがわかった。本研究は、病院を含む特定の臨床状況に合わせた「早期キャリア」の卒後コミュニケーションスキル研修にもっと注意を払うべきことを示唆している。