医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー);北海道・東北地方の医学部

北海道大学

www.med.hokudai.ac.jp

医学部の学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)
医学部では、本学の4つの基本理念(フロンティア精神、国際性の涵養、全人教育、実学の重視)の下、人類の健康増進に資するための体系的な教育を行うことにより、豊かな人間性、高い倫理観および国際的視野を備え、医学、医療又は生命科学の実践および発展に寄与する人材を養成することを教育目標としています。
医学部では、この目標とする人材像に求められる具体的な能力(学位授与水準)を学科毎に定め、当該能力を身につけ、かつ、所定の単位を修得した学生に学士の学位を授与します。

医学科の学位授与水準

医学科では、医学部の教育目標に基づき、①医をささえる高い倫理観と豊かな人間性の陶冶、②高度な医学知識と技術の修得およびそれを維持する生涯学習を続ける態度・習慣の修得、③医療チームにおいて他の専門職と連携し、高度医療をおこなう協調性の修得、を教育理念として、次の能力をもつと認められる学生に対し、学士の学位を授与します。

(1) 医学・医療を支える高い倫理感を身につけている。
(2) 人間性を陶冶し患者のもつ悩み・不安・苦痛等に共感する態度を身につけている。
(3) 社会の発展に貢献する使命感と責任感を身につけている。
(4) 基礎的な医学知識・技術を身につけている。
(5) 科学的妥当性・探求心・創造性を身につけている。
(6) 生涯学習をつづける習慣・態度を身につけている。
(7) 医療におけるチームワークの重要性と、その中の医師の役割を理解している。
(8) 後輩に指導するとともに、自らも共に学ぶ態度を身につけている。
(9) 異文化との交流や国際交流の重要性を理解している。

 

札幌医科大学

web.sapmed.ac.jp

ディプロマ・ポリシー(学位授与方針)
 医学部では、所定の単位を修得し、以下の要件を修得した学生に学位を授与します。

1.倫理観・社会的責任、プロフェッショナリズムに関する内容(態度)
高い倫理観・責任感を備え、医療者としての使命感をもって患者の立場を重視するとともに、研究マインドをもって医学・医療に生涯を通じて貢献できる。
2.地域医療、研究、国際貢献に関する内容(関心・意欲)
幅広い視野をもって積極的に地域医療を担う意欲を育み、先駆的研究に関心をもって国際的な医学・医療の発展に貢献する。
3.基本的医学知識と基本的技術、コミュニケーション能力に関する内容(知識・技能)
基本的な医学知識と技術を習得し、協調性と指導力をもって診療や保健指導、医学研究を実践できる。
4.問題解決・課題探求能力に関する内容(思考・判断)
現状に潜む問題点を課題として提起し、科学的根拠および適確な方法に基づく論理的思考を通して自ら解決できる。

 

旭川医科大学

www.asahikawa-med.ac.jp

http://www.asahikawa-med.ac.jp/bureau/public/gakusei/01med_dp.pdf

旭川医科大学医学部医学科では、教育の目標に沿って編成された年次カリキ ュラムを履修し、基準となる単位数を修得し、次の資質と能力を身につけたと 認められる学生に対し学位(学士(医学))を授与します。
「倫理観とプロフェッショナリズム」(態度)
生命の尊厳を尊重し、医の倫理を理解し、チーム医療に基づいた医療を実践 できるための態度を身につけている。
「医学と関連する領域に関する十分な知識と生涯学習能力」(知識)
幅広い教養と基礎医学臨床医学社会医学の基本的知識を有し、それに基 づいた医療を実践するために、生涯にわたる学習の必要性とその方法を説明できる。
「全人的な医療人能力、基本的診療能力、実践的臨床能力」(技能)
豊かな人間性を持って患者、患者家族と接することができる。 患者の意思を尊重した適切な健康増進を図ることができるとともに医療を提供するための基本的診療能力を身につけている。 急性もしくは慢性の健康問題について診断と治療の原則を理解し、安全性を配慮した上で計画できる。
「問題解決能力、発展的診療能力、研究心」(思考・判断)
基礎医学臨床医学社会医学領域における研究の意義を理解し、科学的情報を収集し評価するとともに、客観的思考を持って診療に応用することができる。
また、新たな情報を生み出すために倫理原則に基づいた論理的研究計画を立案できる。
「地域社会・国際社会へ貢献するための能力」(意欲・関心)
医療に対する社会的ニーズを踏まえ、医療の実践、研究を通じて地域社会及び国際社会に貢献する必要性とその方法を説明できる

 

弘前大学

www.med.hirosaki-u.ac.jp

卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)
 医学部医学科では,カリキュラム・ポリシーに基づいて編成された教育課程に沿って医学的専門知識と技能を習得するとともに,人間の尊厳を希求し,医学の発展の一翼を担うために,求められる社会的役割を的確に果たすことができる三つの素養を身に付けたものに対して,学士(医学)の学位を授与します。
 具体的には,つぎの目標に達していることが学位授与の条件となります。

 豊かな人間性と高度な医学の専門知識を身に付け,人間的・科学的観点から社会の要請を見通す力を身に付けていること。
 広い視野と柔軟な思考力を基盤に,医療・医学の問題を解決していく実践的な力を身に付けていること。
 専門性を生かした国際基準の基礎的かつ,応用的な医学・医療を常に学修し,生涯にわたり自らを成長させ続ける力を身に付けていること。

 

岩手医科大学

www.iwate-med.ac.jp

医学部

本学の建学の精神「医療人たる前に、誠の人間たれ」を深く理解したうえで医師として必要な知識・技能・態度を修得し、チーム医療や地域社会において活躍できる医師として以下のような能力などを身につけ、かつ所定の課程を修めた者に対して、学士(医学)の学位を授与します。

  1. 医療倫理;全人的人間性をもち、社会正義と患者の福祉を最優先とする「誠の人間」として、常に自己研鑽に努め、臨床医として最新かつ最善の医療を地域にもたらし、研究医として人類の福祉に貢献する姿勢を示すことができること。
  2. プロフェッショナリズム;豊かな教養と幅広い知識、優れた技術、「誠の人間たる」態度を身につける必要があることを理解し、日々研鑽を続ける責務と後進育成の使命を自覚すること。
  3. 医療安全;安全な医療を提供し続けるために、感染対策、医療安全管理に対する知恵を身につけ、自己の身体的および精神的健康にも気を配りつつ、医療の質の向上に努めることができること。
  4. 医学的知識;初期臨床研修医あるいは研究医としての業務を行うために必要な基礎生命科学臨床医学、行動科学、社会医学および医学英語の、知識と科学的思考方法を有しており、疾患の予防、診断と治療、あるいは研究に活用できること。
  5. 診療技術・患者ケア;的確な医療情報を収集し、それをもとに適確な診断を下し、プライマリケアを実践して記録する、という基本的な課程を「誠の医師」として患者に真摯に向き合っておこなえること。
  6. コミュニケーションとチーム医療;「誠の人間」にふさわしい謙虚さを身につけ、患者やその家族および医療従事者間で、互いの立場を尊重した関係を構築することができること。
  7. 医療の社会性;「厚生済民」の建学の精神に基づき、社会保障制度および法律に関する知識を修得し、国内外の保健医療に貢献する意志を有すること。
  8. 地域医療;本学は医療の偏在化を是正するために作られた医育機関であることをわきまえ、地域の特性を理解し、地域のニーズに配慮した診療や予防医学、あるいは災害医療に貢献するという将来ビジョンを描き、地域医療で果たすべき責任を自覚していること。

以上の内容は、卒業時に達成していなければならない能力として、卒業時コンピテンシーに盛込まれています。これらの教育成果を達成することができるように六年一貫で順次性をもったカリキュラムが構成されています。本学のすべてのカリキュラムを完遂し、年次ごとの科目を着実に修得することが必要です。そのため、学則第2条に定める期間を在学し、かつ第6条に定める所定の授業科目及び単位を履修修得することが要件となります。

 

秋田大学

www.med.akita-u.ac.jp

https://www.akita-u.ac.jp/kcenter/pdf/policy/08.pdf

『卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)』[医学科]
医学部医学科では,所定の期間在学し,医学部医学科が定める専門分野に関する所定の 単位を全て修得し,次のような知識,技能,態度等を身につけた学生に,「学士(医学)」 の学位を授与します。

1.豊かな教養と倫理性:豊かな人間性を有し,医師としての職責への十分な自覚の もと,生命倫理や医の倫理を遵守し,行動する能力

2.コミュニケーション能力:チーム医療の一員として協調して行動し,人々と良好 な関係を構築する能力

3.適応能力:絶えず進歩する医学・医療に興味を抱いて学習し,学んだ成果を取り 入れる能力

4.課題探求・問題解決能力:自ら国内の地域医療や国際的な健康問題を探求し,医学情報を積極的に収集して論理的に思考する,あるいは自ら医学研究をすることで 問題を解決する能力

5.基礎医学能力:個体の仕組みと外界への反応を理解し,基礎的な病因や病態を理解する能力

6.社会医学能力:地域医療を含めた社会と医学・医療の関連性を理解する能力

7.基本的臨床能力:疾患の病因・病態・診断・治療を総合的に理解する基本的な臨床能力

8.実践的臨床能力:基本的な臨床能力を用いて,具体的な臨床的問題を解決する能力

 

 

東北大学

www.med.tohoku.ac.jp

ディプロマ・ポリシー

医学部医学科では、次に掲げる目標を達成した学生に学士の学位を授与する。

生命現象、人体構造並びに様々な疾患について、分子レベルから細胞・組織・器官・個体レベル、さらに地域・社会・国際レベルに及ぶ国際標準の知識を有している。未解明の事象に挑み創造的研究を行って先端領域を切り開き、成果を世界に発信する能力を有している。

優れた倫理観と暖かい人間性を備え、科学的根拠に基づく医療を実践する基本的能力を習得している。地域に密着して医療を実践するとともに、国際社会に医療貢献する能力を有している。

医療の実践と医学の研究を通して、我が国の医学研究、教育、医療を支えると伴に、ワールドクラスの研究の推進、新しい学問の創造、人類への貢献を担う能力を有している。多職種間の連携・協調、学際的研究交流等を円滑に行うコミュニケーション能力とチームを率いるリーダーシップの素養を有している。

 

東北医科薬科大学

www.tohoku-mpu.ac.jp

本学医学部の教育課程を履修して、所定の単位を修得した下記の学生に学位(学士(医学))を授与します。

医療人としての自覚と医師として総合的な臨床能力を身につけていること。
地域医療、災害医療に貢献する強い意志を持っていること。

 

山形大学

https://www.yamagata-u.ac.jp/DP/2405.pdf

学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)
山形大学医学部医学科では、医学・医療の今後の発展を担う有意な医師、医学研究者を育成す る観点から、医学教育を通じて、次の能力を身につけた者に対し学位を授与する。
1.医学・医療に対する深い学識、見識をもち、劇的な速度で進歩する医学・医療に追随するの みでなく、これらを自ら進化させることにより社会に貢献する人材であること。
2 臨床医学の実践、および研究の基礎となる学力、能力を身につけていること。
3 臨床医や臨床・基礎医学研究者のみならず行政官等多様なキャリアパスに対応できる基礎的 能力を身につけていること。

 

福島県立医科大学

www.fmu.ac.jp

福島県立医科大学医学部では、教育理念・目標として「心・知・技・和・地」を掲げ、患者に寄り添う医療人、保健・医療・福祉に貢献できる医師・医学研究者の育成に努めてきました。 それを受け、本学では以下を満たす者に学士を授与します。

 

1.患者と地域社会のために、患者を主体とした最善の医療を実践するプロフェッショナルとして、必要な倫理観の基盤・知識と技術を習得した者
2.医学、医療の視点から、地域から世界に広がる社会貢献ができる医師・医学研究者の基礎として、科学的思考力および自律的に生涯学習を継続する姿勢を習得した者
3.医学部履修規程に則り、卒業までに所定の単位を授与され、授業科目の修了認定を受けた者