医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

アライド・ヘルス・ワーカーのための臨床指導へのアクセスと有効性:横断的調査

Access to and effectiveness of clinical supervision for allied health workers: A cross-sectional survey
David A. Snowdon,Fiona Kent,Melanie K. Farlie,Nicholas F. Taylor,Owen Howlett,Sharon Downie & show all
Published online: 22 Nov 2023
Cite this article https://doi.org/10.1080/0142159X.2023.2271158

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/0142159X.2023.2271158?af=R

 
DALL·Eによって生成された
 
 

はじめに
臨床指導は、患者ケアと医療従事者のウェルビーイングをサポートする。しかし、効果的な臨床指導へのアクセスは公平ではない。我々は、アライド・ヘルス・ワーカーにおける臨床指導のアクセスと有効性を調査することを目的とした。

調査方法
マンチェスター臨床指導尺度(Manchester Clinical Supervision Scale:MCSS-26)を用いた横断的調査デザインで、有効性に関するデータを収集した。多変量回帰を行い、MCSS-26の得点が分野、勤務地、設定によってどのように異なるかを明らかにした。自由形式の回答は内容分析を用いて分析した。

調査結果
1113人が調査に回答し、319人(28%)が指導を受けていないと回答した。このグループでは、管理職に就いている人、医療画像診断の分野で働いている人、地方や田舎で開業している人が多かった。指導を受けている人のMCSS-26のスコアは、専門分野や職場環境によって有意に異なっていた。有効性を高めるための戦略として、代替指導の利用、指導専用の時間、トレーニングなどが提案された。

考察

臨床指導の重要性の強調: 研究結果は労働者における臨床指導の不均等なアクセスと効果を示しており、これらの要因が労働者のウェルビーイングと患者ケアの質に重要な影響を与えることを強調しています。

プロクターのモデルの可能性: プロクターの臨床指導モデルがいかにして指導の質を改善し、アクセスを促進するかについての考察が含まれています。このモデルは、臨床指導の効果的な実施を支援する可能性があります。

異なる要因に基づく監督の指導の違い: 研究では、異なる専門分野、勤務地、および設定における臨床指導の効果に関する違いが明らかにされています。これは、特定のグループや状況に合わせた介入戦略の必要性を示唆しています。

上級スタッフや特定の専門分野に対する特別な注意: 上級スタッフ、放射線技師、地域・農村地域で働く人々などの特定のサブグループのニーズに対応するための特定の戦略が提案されています。

介入戦略の提案

代替指導モデルの採用: 従来の指導モデルに加えて、より柔軟な代替モデルを採用することで、多様なニーズに応えることができます。例えば、グループ指導やピア指導などが挙げられます。

専用の指導時間の確保: 指導のための時間を確保し、その時間を勤務時間として認識することが重要です。これにより、指導を受けるための時間的な余裕を持つことができます。

指導者のトレーニング: 指導者に対して、効果的な臨床指導の技術や方法についてのトレーニングを提供することが重要です。これにより、指導の質が向上し、労働者のニーズに応じたサポートが提供されます。

異なる専門分野や勤務地に合わせた戦略: 専門分野や勤務地によって異なるニーズがあります。これらの違いに対応するためのカスタマイズされた戦略が必要です。

指導の定期的な評価: 指導の効果を定期的に評価し、必要に応じて改善策を講じることが重要です。これには、学習者からのフィードバックの収集と分析が含まれます。

組織的なサポートと文化の促進: 組織全体で指導の重要性を認識し、効果的な臨床指導を実施するための文化を促進することが重要です。

 

結論
アクセス改善の対象となるサブグループには、上級スタッフ、医用画像診断の専門家、地域や地方にまたがって働くスタッフが含まれる。指導の効果が最も低い場合には、組織的な支援により行動に対処する戦略が必要であろう。