医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

地域枠・奨学金をもらった学生の勤務場所(日本)

Geographic Distribution of Regional Quota Program Graduates of Japanese Medical Schools
A Nationwide Cohort Study
Matsumoto, Masatoshi MSc, MD, PhD; Kashima, Saori MEnvSc, PhD; Owaki, Tetsuhiro MD, PhD; Iguchi, Seitaro MD, PhD; Inoue, Kazuo MD, PhD; Tazuma, Susumu MD, PhD; Maeda, Takahiro MD, PhD

Academic Medicine: August 2019 - Volume 94 - Issue 8 - p 1244–1252
doi: 10.1097/ACM.0000000000002688

 

https://journals.lww.com/academicmedicine/Fulltext/2019/08000/Geographic_Distribution_of_Regional_Quota_Program.43.aspx

 

目的

医師を遠隔地に配置する医学部の地域枠プログラムと県からの奨学金プログラムの2種類の卒業生の診療場所を示すこと:各プログラムの卒業生は、指定された遠隔地で一定期間働く必要があります。

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入学者における地域枠の割合

方法

2014年から2016年の間に卒業した3つの参加者グループについて、全国規模のコホート研究を実施しました:奨学金なしの地域枠卒業生、奨学金受領した地域枠ではない卒業生、および奨学金付き地域枠卒業生の3つのグループです。アンケートは、医学部または県の事務所を経由して各対象者に送信され、本県および卒業年を含むベースラインの個人データが収集されました。データは、医師の識別番号を介して厚生労働省の医師の2016年の調査と連結し、被験者の診療場所を特定し、他の医師の調査のデータと比較されました。比較は、Mann-Whitneyおよびカイ2乗検定で行われました。

結果

奨学金無しの地域枠のみ(185/244; 75.8%)、奨学金のみ(305/363; 84.0%)、および奨学金付き地域枠(341/384; 88.8%)が遠隔地で働く医師の割合は、他の医師(13,299 / 22,906; 58.1%)よりも有意に高かった。働く場所の人口密度は奨学金無しの地域枠のみ(1,042.4人)、奨学金のみ(613.5)、および奨学金の地域枠(547.4)で、他の医師(3,214.0)よりも有意に低かった。これらの格差は、卒業後の年数とともに増加しました。

結論

地域枠および県の奨学金プログラムは、日本の農村部で実践した医師の育成に成功しました。