医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

パキスタン・ラホールの非保健医療系学生の外科知識に及ぼす医療系テレビ番組の影響

Impact of Medical TV Shows on the Surgical Knowledge of Non-Healthcare Students of Lahore, Pakistan

Authors Azeem S , Mustafa B , Ahmad AS, Rashid S, Farooq M, Rasheed T

Received 8 June 2022

Accepted for publication 21 September 2022

Published 21 October 2022 Volume 2022:13 Pages 1341—1349

DOI https://doi.org/10.2147/AMEP.S377808

 

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目的

テレビ番組の中で人気のあるジャンルに医療ドラマがある。これらの番組を見る第一の目的は娯楽であるが、医学的知識の習得は受動的な副産物である。これらの番組では、外科手術がストーリーの大部分を占めている。このことは、医療知識の源となるか、あるいは誤った情報を提供することになりかねず、その影響は特に医療に接したことのない個人において重要である。本研究では、医療系テレビ番組が非医療系学生の外科知識に与える影響と、異なる人口統計グループ間(医療界に親族がいる人といない人)での知識の差異を評価する。

方法

パキスタン、ラホールの非医療系学生を対象に横断的研究を行った。調査方法は、社会統計学的因子(年齢、性別、教育分野)、病歴、医療系テレビ番組の視聴時間を含む自記式質問紙を使用した。また、外科的知識を評価するために、それぞれ1点満点で10問の質問が含まれていた。データはSPSS v.26を使用して分析された。

結果

1097人の回答者のうち、450人(41%)が医療用テレビ番組の視聴歴があった。大半の319名(29.1%)は、これらの番組を24時間未満で見たことがあった。全回答者の平均点は、10点満点中5.79点であった。医療系テレビ番組の視聴歴がある回答者は、ない回答者よりも知識が豊富であった(p<0.001)。同様に、医療用テレビ番組の視聴時間が長い回答者は、視聴時間が短い回答者よりも知識が豊富であった(p<0.001)。また、医療従事者の親族がいる回答者は、いない回答者よりも知識が豊富であった(p=0.049)。

結論

医療用テレビ番組は、その本来の娯楽性を維持しつつ、適切に開発されれば、効率的な学習ツールとしても利用できる。また、誤った情報のリスクを最小限に抑えるために、品質管理を行う必要がある。