医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

休息と再充電。研修医時代の睡眠改善策に関するナラティブレビュー

Resting and Recharging: A Narrative Review of Strategies to Improve Sleep During Residency Training 
Joyce Redinger, MD; Emmad Kabil, MD; Katherine T. Forkin, MD; Amanda M. Kleiman, MD; Lauren K. Dunn, MD, PhD
J Grad Med Educ (2022) 14 (4): 420–430.
https://doi.org/10.4300/JGME-D-21-01035.1

meridian.allenpress.com

 

背景
研修医は、長時間労働による過酷なトレーニングを受けるため、疲労や睡眠不足を引き起こし、研修医やそのケアを受ける患者に悪影響を与える可能性がある。

目的
夜勤および夜間勤務による疲労および睡眠不足の生理的影響を軽減するためのエビデンスに基づく介入を、ナラティブレビューを用いて明らかにすること。

方法
2021年8月30日まで、タイトルまたは抄録に「研修医」「睡眠」を用い、さらに第3の検索語で絞り込んでPubMed文献検索を実施した。英語で書かれ,発表されたヒトを対象とした観察研究,無作為化対照試験,システマティックレビュー,メタアナリシスを対象とした。研修医や医療実習生に特化していない研究や介入を調査していない研究は除外された。追加の研究は、書誌レビューにより同定した。研究デザインと介入の異質性により、結果は非薬理学的介入と薬理学的介入に分類されるナラティブレビューアプローチが選択された。

結果
当初、271件の論文が同定されたが、睡眠に関連する第3の検索語を用いて28件に絞り込まれた。文献レビューにより、さらに4件の論文が得られた。介入に関するデータは、専門医の異質性、サンプルサイズ、フォローアップの長さ、および自己報告への依存によって制限されている。戦略的なスケジュール設定や睡眠衛生を含む非薬理学的介入は、睡眠と幸福を改善する可能性がある。薬理学的介入を支持するランダム化比較試験など、利用可能な証拠は限られている。

結論
非薬理学的介入(勤務時間制限、ブロック スケジューリング、夜間専用対応、仮眠、呼び出し音効 率、睡眠衛生教育など)および薬理学的介入(メラ トニン、抗ヒスタミン剤、非ベンゾジアゼピン系、カフェ イン)が研究されており、安眠の改善にはさまざまな 効果があることが実証されている。マインドフルネス瞑想などの他の非薬理学的介入は、他の研究集団において睡眠改善に対する有益な効果を実証しており、研修医において研究されるべきである。